○農地移動適正化あっせん基準
(平成19年3月30日)
改正
平成24年10月31日農振第714号
1 目的
この基準は、長洲町農業委員会(以下「農業委員会」という。)が農業委員会等に関する法律(昭和26年法律第88号)第6条第2項の規定に基づき農業振興地域の整備に関する法律(昭和44年法律第58号。以下「農振法」という。)第6条にいう農業振興地域内の農用地等について行う農地保有の合理化のための権利移動のあっせん事業(以下「農地移動適正化あっせん事業」という。)の実施にあたって必要な手続き及び基準を定めることにより、農地移動適正化あっせん事業を円滑適正に行うことを目的とする。
2 定義
この基準において「農用地等」とは、農振法第3条に定める農用地等のほか開発して農用地等とすることが適当な土地をいう。
3 あっせん基準
1) 農用地等の権利を取得させるべき者(以下「権利取得者」という。)は、農業を営む者、当該農用地等の所在地を事業実施地域に含む農業経営基盤強化促進法(昭和55年法律第65号)第8条第1項に規定する農地保有合理化法人及び同法第11条の9第1項の承認を受け同法第4条第3項第1号の事業を行う農地利用集積円滑化団体(以下「農地保有合理化法人等」という。)並びに農業者年金基金(農振法第3条第4号の農業用施設の用に供される土地(整備してこれらの施設の用に供される土地とすることが適当な土地を含む。)であって、農業者の共同利用に供されるものについては、農業協同組合、農業協同組合連合会、農事組合法人又は農地法施行令(昭和27年政令第445号)第6条第2項第3号に規定する法人を含む。)とし、農業を営む者の要件については、次のアからカまでに掲げる要件を備えている者に限られるほか、農業振興地域整備計画において育成しようとする作目及び農業経営の形態に対応して必要と認められる要件を備えているものであること。
  権利取得者の農業経営には、専ら又は主としてその農業経営に従事すると認められる青壮年の家族農業従事者(農業生産法人にあっては、常時従事者たる構成員)がいるものであること。
  権利取得者は、現に農業に従事している農業経営主、農業後継者又は新規就農希望者であって、かつ、農業によって自立しようとする意欲と能力を有すると認められること。
  権利取得者が農業経営の経営主であって65歳以上であるときは、その後継者が現に農業に従事しているか、又は近く従事する見込みがあると認められること。
  権利取得者の農用地等が、権利取得後の経営面積(農業生産法人にあっては、その経営面積をその常時従事者たる構成員に属する世帯の数で除した面積、養豚経営、養鶏経営又は肉用牛肥育経営に係る施設の用に供される土地にあっては、飼養規模。以下同じ。)が、農業委員会が別表1に定める基準面積(養豚経営、養鶏経営又は肉用牛肥育経営に係る施設の用に供される土地にあっては基準飼養規模。以下同じ。)を超えるものであること。
 ただし、農用地等を交換する場合であって、その一方の当事者の経営面積が当該地域における平均経営面積を超えているか、又は、その交換の結果超えることになり、かつ、その耕作農地の集団化に著しく寄与する場合、又は権利取得者が新規就農希望者(新たに農業経営を行おうとする者(その世帯主の農業経営の移譲により新たに農業経営を行おうとする者を除く。))の場合、又はその他権利取得者の選定にあたり当該地域における平均経営面積によることが相当でないと認められる場合はこの限りでない。
  権利取得者の農業経営の資本装備が農用地等の効率的利用の観点からみて適当な水準であるか、又は近く適当な水準になる見込みがあると認められること。
  権利取得者が取得する農用地等を農業振興地域整備計画に定める農用地利用計画に従って利用することが確実であると認められること。
2) 権利取得者に対するあっせんの順位は、農業を営む者を第1順位とする。
 この場合、認定農業者(農業経営基盤強化促進法第12条第1項の規定により認定を受けた者をいう。)を優先してあっせんするものとする。
 また、農業を営む者に対するあっせんが不成立の場合、又は農業を営む者にあっせんするよりも農地保有合理化法人にあっせんする方が農地保有の合理化に著しく寄与すると認められる場合には、農地保有合理化法人等にあっせんするものとする。
 ただし、農業を営む者に対するあっせんが不成立の場合であって、あっせんに係る農用地等が、離農希望者の申出によるものであり、かつ、農業者年金基金にあっせんすることが適当であると認められる場合には農業者年金基金にあっせんするものとする。
3) あっせんの申出を行った権利取得者が2人以上いる場合におけるあっせんの順位については、次に掲げる基準及び農業農村整備事業、経営体育成支援事業との関連上必要と認められる事項(4の特別基準を含む。)を総合勘案してあっせんにより権利を取得させるべき者を定めるものとする。
  農用地等の権利の取得後における経営面積と経営規模拡大の目標として農業委員会が別表2で定める目標面積との格差が小さい者に対して優先的にあっせんするものとする。
  農業振興地域整備計画、経営体育成支援計画において育成しようとする農業経営を行おうとする者に対して優先的にあっせんするものとする。
  あっせんすべき農用地等の位置その他の利用条件からみて、その農用地等をもっとも効率的に利用することができると認められる者に対して優先的にあっせんするものとする。
  農地等の集団化に資する程度が最も大きいと認められる者に対して優先的にあっせんするものとする。
  地域農業の中核的な担い手の育成、確保を図るため最も適当と認められる者に対して優先的にあっせんするものとする。
4 特別基準
交換分合事業、ほ場整備事業、農用地開発事業、経営体育成支援事業等の実施区域の参加農家に対してあっせんする場合は、3の1)のア、イ、ウ、エに定める要件を備えていること。
5 あっせん譲受け等候補者名簿の作成
1) 農業委員会は、あっせんによる農用地等の売渡し、貸付け又は交換の相手方として適当と認められる候補者(あっせん基準に適合し、農業生産の中核的担い手になると見込まれる農業を営む者に限る。)を登録したあっせん譲受け等候補者名簿(別記第1号様式、以下「名簿」という。)を作成するものとする。
2) 名簿は、農業を営む者からの名簿登録の申出(別記第2号様式)及び農業委員会の日常活動による把握等を基礎として作成し、必要の都度見直しを行うものとする。
6 あっせん
1) 農業委員会は、次のアからウまでに掲げる場合に、3)から15)までに定めるところによりあっせんを行うものとする。
  農用地等の所有者から農用地等の売渡し、貸付け又は交換についてのあっせんの申出があった場合。
  名簿に登録されている者から農用地等の買受け又は借受けについてのあっせんの申出があった場合。
  ア又はイのあっせんに直接関連して他の農用地等の譲渡、貸付け又は交換のあっせんを行うことが必要と認められた場合。
2) 農業委員会は、1)のア又はイのあっせんの申出に当たっては、あっせん申出者に別記第3号様式による「あっせん申出書」を提出させるものとする。
3) 農業委員会は、1)のアの農用地等の所有者からのあっせんの申出で、その売渡し若しくは貸付けの相手方を指定している場合等農地移動適正化あっせん事業の対象として不適当な場合又はあっせんの申出以前に既に実質的に契約を締結していると認められる場合、不動産業者等が介入していると認められる場合等農地移動適正化あっせん事業の対象として不適正な事実があると認められる場合には、あっせんを行わないものとする。
  農業委員会は、権利取得者からあらかじめ所有権を取得したい農用地等又は当該農用地等の権利を有する者を指定して、所有権取得のあっせんを受けたい旨の申出があった場合等には、あっせんを行う以前に当事者相互間で農用地等の取引契約が実質的に成立していない場合に限りあっせんを行うものとする。
4) 農業委員会は、1)のアのあっせんについては、農用地等の権利移動の相手方となるべき者の候補者を名簿の登録者の中から1名以上選定し、その者があっせん基準に適合することを確認のうえ、その者を当該農用地等の権利移動の相手方となるべき者として選定するものとする。
5) 農業委員会は、1)のイのあっせんについては、当該申出者があっせん基準に適合することを確認のうえ、農用地等の権利移動の相手方となるべき者を選定するものとする。
6) 農業委員会は、1)のウのあっせんについては、あっせん基準に基づいて農用地等の権利移動の相手方となるべき者を選定するものとする。
7) 農業委員会は、3)の農地移動適正化あっせん事業の対象として不適正な事実の有無の確認及び4)から6)までによる農用地等の権利移動の相手方となるべき者の選定の経過を記載した選定調書(別記第4号様式)を作成するものとする。
8) 農業委員会は、農用地等の権利移動の相手方となるべき候補者を選定した場合には、農業委員会の委員の中からあっせん委員2人を指名し、当該あっせん委員をして農用地等の権利移動のあっせんを行わせるものとする。
 この場合には、農業委員会は、あっせんの申出をした者及び農用地等の権利移動の相手方となるべき者にあっせんを行う旨及びあっせん委員の氏名を通知するものとする。
9) あっせん委員は、あっせんにより農用地等の売買、貸借又は交換が成立したときは、あっせん調書(別記第5号様式)を作成し、あっせん委員及び農用地等の権利移動の当事者の署名押印のうえ、農業委員会に報告するものとする。
10) 農業委員会は、9)のあっせんが成立した旨の報告があった場合において、農用地等の権利移動の当事者の一方又は双方から、あっせん証明書の交付の申請があったときは、その者から契約書を提示させ、当該契約内容とあっせん調書との照合を行い、当該契約が当該あっせんに基づき成立したものであることを確認のうえ、あっせん証明書を交付するものとする。
11) 農業委員会は、10)のあっせん証明書の交付後、3)のアの農地移動適正化あっせん事業の対象として不適正な事実が判明したときは、あっせん証明書の交付の取消しを行うものとし、関係機関にはその旨通知するものとする。
12) あっせん委員は、次に掲げる場合には、当該あっせんを打ち切るものとする。
  あっせんにより農用地等の売買、貸借又は交換が成立する見込みがないと認めたとき。
  あっせんの過程で、3)のアの農地移動適正化あっせん事業の対象として不適正な事実があると認めたとき。
13) 12)の場合には、あっせん委員は、あっせんてんまつ書(別記第6号様式)を作成し署名押印のうえ、農業委員会に報告するものとする。
14) 農業委員会は、12)のアによりあっせんを打ち切った旨の報告を受けたときは、新たなあっせんの相手方を選定してあっせんを行うか、又はあっせんをしないこととするかを決定し、あっせんをしない旨の決定をした場合には、その旨をあっせんの申出をした者に通知するものとする。
15) 農業委員会は、12)のイによりあっせんを打ち切った旨の報告を受けたときは、あっせんをしない旨の決定をし、その旨をあっせんの申出をした者に通知するものとする。
7 農地移動適正化あっせん台帳
農業委員会は、この基準に基づく農用地等の売買、貸借又は交換についてのあっせんの結果を記載した(あっせん調書、あっせんてんまつ書、選定調書を時系列的に整理して綴じ込んだもの。)農地移動適正化あっせん台帳を備え置くものとする。
8 事前届出の勧奨
農業委員会は、当該地域内の農業者等に対し、農地移動適正化あっせん事業の趣旨、あっせん基準等の周知徹底に努めるとともに農業者等が農用地等の売渡し、貸付け、買受け、借受け又は交換をしようとするときは、あらかじめ農業委員会に届け出るよう指導するものとする。
9 報告
農業委員会は、毎年度農地移動適正化あっせん事業計画を定め、前年度の農地移動適正化あっせん事業実績(別記第7号様式)と併せて5月末日までに熊本県知事に報告するものとする。
附 則
この基準は、平成19年3月30日(熊本県知事の認定のあった日)から施行する。
附 則(平成24年10月31日農振第714号)
この基準は、平成24年10月31日(熊本県知事の認定のあった日)から施行する。
別表1
地域名作目及び経営形態基準面積等備考
長洲町水稲+麦+大豆110a 
(全域)葉タバコ+水稲106a 
 ミニトマト44a平均面積 44a
 106a 
 水稲+酪農106a 
 新規就農者(農業後継者を除く。)50a 
     
     
     
     
     
長洲町平均経営耕作面積106a2010年農業センサス調べ
別表2
地域名作目及び経営形態目標面積等備考
長洲町水稲+麦+大豆2,000a 
(全域)葉タバコ+水稲300a 
 ミニトマト50a 
 150a 
 水稲+酪農300a 
     
     
     
     
     
(別記第1号様式)
あっせん譲受等候補者名簿

(別記第2号様式)
登録申出書

(別記様式第3号)
あっせん申出書

(別記様式第4号)
選定調書

(別記様式第5号)
あっせん調書

あっせん調書

(別記様式第6号)
あっせんてんまつ書

(別記第7号様式)
農地移動適正化あっせん事業実績

別紙第7号様式