○小野町文化財保護条例
(昭和53年6月22日条例第12号) |
|
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第182条第2項の規定に基づき、小野町の区域内に存する重要な文化財についてその保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって町民の文化の向上に資するとともに、わが国の文化の進展に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「文化財」とは、法第2条第1項各号に掲げるものをいう。
(財産権等の尊重及び他の公益との調整)
第3条 教育委員会は、この条例の執行に当っては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
第2章 町指定文化財
(指定等)
第4条 教育委員会は、町の区域内に存する文化財のうち町にとって重要なものを「小野町指定重要有形文化財」「小野町指定重要無形文化財」「小野町指定重要有形民俗文化財」「小野町指定重要無形民俗文化財」「小野町指定史跡名勝天然記念物」(以下「町指定文化財」という。)に指定することができる。
2 教育委員会は、前項の指定をしようとするときは、別に定める小野町文化財保護審議会(以下「文化財保護審議会」という。)に諮問するとともに、当該指定に係る文化財の所有者及び権原に基づく占有者及び保持団体の代表者(以下「所有者等」という。)の同意を得なければならない。ただし、当該所有者等が判明しない場合はこの限りでない。
3 第1項の指定は、その旨を告示するとともに、当該指定に係る文化財の所有者等に通知して行う。
4 第1項の指定は、前項の告示があった日からその効力を生ずる。
5 教育委員会は、第1項の指定をしたときは、当該町指定文化財の所有者等に指定書を交付しなければならない。
(解除等)
第5条 教育委員会は、町指定文化財が町指定文化財としての価値を失った場合、その他特別の理由があるときは、その指定を解除することができる。
2 教育委員会は前項の解除をしようとするときは、文化財保護審議会に諮問しなければならない。
3 第1項の解除は、その旨を告示するとともに、当該町指定文化財の所有者等に通知して行う。
4 第1項の解除は、前項の告示のあった日からその効力を生ずる。
5 町指定文化財について法及び福島県文化財保護条例による重要文化財等の指定があったときは、当該町指定文化財の指定は解除するものとする。この場合において、教育委員会は、その旨を告示するとともに、当該町指定文化財の所有者等に通知しなければならない。
6 町指定文化財の所有者等は、第3項又は前項の通知を受けたときは、速やかに当該町指定文化財の指定書を教育委員会に返還しなければならない。
(管理方法の指示)
第6条 教育委員会は、町指定文化財の所有者等に対しその管理に関し必要な指示をすることができる。
(所有者の管理義務及び管理責任者)
第7条 町指定文化財の所有者等は、この条例の規定並びにこの条例に基づく教育委員会規則の規定及び教育委員会の指示に従い、町指定文化財を管理しなければならない。
2 町指定文化財の所有者等は特別の理由があるときは、もっぱら自己に代ってその管理の責めに任ずべき者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。
3 町指定文化財の所有者等は、管理責任者を選任したときはすみやかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任した場合も同様とする。
4 前条及び第1項の規定は管理責任者について準用する。この場合において、これらの規定中「所有者等」とあるのは「管理責任者」と読み替えるものとする。
(滅失等の届出)
第8条 町指定文化財の所有者等(管理責任者があるときはその者。次条及び第10条において同じ。)は、当該町指定文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはきそんし又はこれを亡失し若しくは盗み取られたときは、すみやかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(修理の届出等)
第9条 町指定文化財の所有者等は当該町指定文化財を修理しようとするときは、修理に着手する日の20日前までにその旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、第11条第1項の許可又は第18条の補助を受けて修理を行う場合はこの限りでない。
2 教育委員会は、当該町指定文化財の保存上必要があると認めるときは、前項の届出に係る修理に関し技術的な指導及び助言をすることができる。
(所在場所の変更の届出)
第10条 町指定文化財の所有者等は、当該町指定文化財の所在場所を変更しようとするときは、その旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、教育委員会規則で定める場合は、この限りでない。
2 前項の場合において、緊急やむを得ない理由によりあらかじめ届け出ることができないときは、所在場所を変更した後すみやかに届け出なければならない。
(現状変更等の制限)
第11条 町指定文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし現状の変更については、維持の措置又は非常のために必要な応急措置をとる場合、保存に影響を及ぼす行為については影響が軽微である場合は、この限りでない。
2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、教育委員会規則で定める。
3 教育委員会は第1項の許可を与える場合において、その許可の条件として同項の現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。
4 第1項の許可を受けた者が前項の許可の条件に従わなかったときは、教育委員会は許可に係る現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止を命じ、又は許可を取り消すことができる。
(公開)
第12条 教育委員会は、町指定文化財の所有者等に対し三月以内の期間を限って、当該町指定文化財の公開を勧告することができる。
2 町指定文化財の所有者等及び当該所有者以外の者は、当該町指定文化財を公衆の観覧に供するため公開をしようとするときは、当該公開する日の20日前までにその旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、当該町指定文化財の所在場所において公開するときは、この限りでない。
3 教育委員会は前項の届出があったときは、当該公開及び当該公開に係る町指定文化財の管理に関し必要な指示をすることができる。
(地位の承継等)
第13条 町指定文化財の所有者等は当該町指定文化財を譲渡するときは、当該町指定文化財の引渡しと同時にその指定書を当該町指定文化財の譲受人に引き渡さなければならない。
2 町指定文化財の譲受人は、当該町指定文化財に関しその譲受人が所有していたこの条例に基づく地位を承継する。
3 第1項の場合において当該町指定文化財の譲受人はすみやかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(保存)
第14条 教育委員会は、町指定無形文化財の保存のため必要があると認めるときは、町指定無形文化財について自ら記録を作成し、伝承者を養成し、その他町指定無形文化財の保存のため必要な措置を行うことができる。
第3章 町選定保存技術
(選定等)
第15条 教育委員会は、町の区域内に存する伝統的な技術又は技能で文化財の保存のために欠くことのできないもの(法第83条の7第1項の規定並びに福島県文化財保護条例により選定保存技術に選定されたものを除く。)のうち町として保存の措置を講ずる必要があるものを小野町選定保存技術(以下「町選定保存技術」という。)として選定することができる。
2 教育委員会は前項の規定による選定をしようとするときは、当該選定に係る保存技術の保持者又は保存団体(町選定保存技術を保存することを主たる目的とする団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。
3 第4条第2項から第5項までの規定は、第1項の規定による選定及び前項の規定による認定をする場合について準用する。
(解除等)
第16条 教育委員会は、町選定保存技術について保存の措置を講ずる必要がなくなった場合、その他特別の理由があるときは、その選定を解除することができる。
2 教育委員会は、保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合、保存団体が保存団体として適当でなくなったと認められる場合その他特別の理由があるときは、その認定を解除することができる。
3 第5条第3項から第6項までの規定は、第1項の規定による選定の解除又は前項の規定による認定の解除をする場合について準用する。
4 町選定保存技術について法第83条の7第1項の規定並びに福島県文化財保護条例による選定保存技術の選定があったときは、町選定保存技術の選定は解除されたものとする。この場合において前項の規定を準用する。
5 町選定保存技術の保持者のすべてが死亡し、又は保持団体のすべてが解散したとき(消滅したときも含む。)は町選定保存技術の選定は解除されたものとする。この場合において前項の規定を準用する。
(保存)
第17条 教育委員会は、町選定保存技術の保存のため必要があると認めるときは、町選定保存技術について自ら記録の作成その他町選定保存技術の保存のため必要な措置を行うことができる。
第4章 雑則
(補助)
第18条 教育委員会は、小野町の区域内に存する重要な文化財の所有者等又は町選定保存技術の保持者若しくは保存団体に対し、予算の範囲内において、当該文化財の管理、修理、公開その他その保存に要する経費の一部又は町選定保存技術の保存に要する経費の一部を補助することができる。
(損失の補償)
第19条 第11条第1項の許可を受けることができなかったことにより又は第11条第3項の許可の条件を付せられたことによって損失を受けた者に対しては、町はその通常生ずべき損失を補償する。
(報告の徴収)
第20条 教育委員会は、必要があると認められるときは、町指定文化財の所有者等又は管理責任者に対し、当該町指定文化財の現状又は管理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。
(助言又は勧告)
第21条 教育委員会は、町指定文化財の所有者等又は町選定保存技術の保持者若しくは保存団体に対し、当該町指定文化財又は町選定保存技術の保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。
(教育委員会規則への委任)
第22条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関して必要な事項は、教育委員会規則で定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(条例の廃止)
2 小野町文化財保護条例(昭和39年小野町条例第27号。以下「旧条例」という。)は、廃止する。
(経過措置)
3 この条例の施行の際現に旧条例の規定により指定されている小野町指定重要文化財の有形文化財については、改正後の小野町文化財保護条例(以下「新条例」という。)の規定により、指定された小野町指定重要有形文化財と、及びこの条例の施行の際現に旧条例の規定により指定されている小野町指定重要文化財の無形文化財については、新条例の規定により指定された小野町指定重要無形民俗文化財とみなす。
附 則(平成24年3月16日条例第22号)
|
この条例は、公布の日から施行する。