○小野町議会基本条例
(令和元年9月13日条例第22号)
小野町議会(以下「議会」といいます。)は、二元代表制の下で、日本国憲法が定める町民を代表する議事機関として、行政の執行を監視するとともに、町の将来にとって最良の意思を決定する使命を担っています。
このため、議会及び議員は、町民の多様な意見を反映すべく、説明責任を果たし、議会活動への町民参加を促す必要があります。これにより、議員は相互の自由な討議を展開し、町政の課題及び論点を明らかにし、政策立案及び提言を積極的に行っていかなければなりません。
以上の理念のもとに、議会及び議員は、自らの責務を自覚するとともに、町民の福祉の向上と活力ある地域づくりを進める議会を目指し、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条
この条例は、議会運営及び議員活動の基本的事項を定め、議会の行政監視機能を充実させるとともに、町の将来像や課題に対し、町民の意思を的確に反映できる議会を確立することを目的とします。
(議会及び議員の使命)
第2条
議会及び議員は、二元代表制の下、町政における議事機関として、公平かつ公正な議論を尽くすとともに、町民の多様な意見等を把握し、町政に反映し得る合議体としての特性を最大限に生かすことにより、真の地方自治の実現を図ることを使命とします。
第2章 議会及び議員の活動原則
(議会の活動原則)
第3条
議会は、町民の代表機関であることを常に自覚し、その活動の公平性、公正性及び透明性を確保するとともに、町民の多様な意見を把握し、分かりやすく、かつ、開かれた議会運営に努めます。
2
議会は、町民本位の立場から、町政の執行状況を監視し、議会提案による政策立案等の強化に努めます。
3
議会は、常に町民の視点に沿った議会運営に努めます。
4
議長は、町民の傍聴の意欲を高めるよう小野町議会傍聴規則を運用するとともに、分かりやすい視点、方法等に立った議会運営に努めます。
[
小野町議会傍聴規則
]
5
議会は、政策決定を行うとともに、執行後における政策評価に資する審議に努めます。
(議員の活動原則)
第4条
議員は、自己の資質を高めるために常に自己研さんし、町民から信頼される活動に努めます。
2
議員は、あらゆる機会を利用して町民の意見を聴取し、町政全般に関する課題を的確に把握します。
(議員の政治倫理)
第5条
議員は、町民の代表者としてその倫理性を常に自覚し、町民の疑惑を招くことのないよう行動します。
(会派)
第6条
会派は、政治的信条、政策等を共有する議員により結成することができます。
2
会派は、政策立案及び政策提言に関して調整を行い、必要に応じて、会派(会派に所属しない議員を含みます。)間の合意形成を図り、円滑かつ効果的な議会運営に努めるものとします。
(議決責任)
第7条
議会は、議決責任を深く認識し、議案を議決し、町としての意思決定又は政策決定をしたときは、町民に対してその結果とともに、その過程を説明する責務を有します。
第3章 議会と町民との関係
(町民との関係)
第8条
議会は、開かれた議会を基本に、本会議に加え、委員会を原則公開とします。
2
議会は、議会活動の視点から情報を公開し、町民に対する説明責任を十分に果たします。
3
議会は、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用し、町民の専門的又は政策的識見を議会の討議に反映させます。
4
議会は、町民の意見を把握し、政策形成に反映すべく、適宜、懇談会を開催します。
5
議会は、議案に対する各議員の賛否を公表します。
(広報広聴の充実)
第9条
議会は、町政に係る重要な情報を、議会独自の視点から、常に町民に対して周知します。
2
議会は、情報技術の発達を踏まえた多様な広報手段の活用や懇談会を開催することによる町民の意見等の収集などにより、多くの町民が議会と町政に関心を持つよう広報広聴活動の充実に努めます。
第4章 議会と町長等との関係
(町長等との関係)
第10条
議会は、町長が提案する重要な政策について、論点を明らかにし、議決責任を果たすために必要な情報を具体的に提示するよう求めます。
2
議会は、町長が予算及び決算に関する議案を提出する場合、施策別又は事業別の説明資料を事前に提出するよう求めます。
3
議員と町長等の質疑応答は、一問一答方式を採用し、議員は、論点を明確にするように努めます。
4
議会及び議員は、必要に応じ議長を経由して町長等に対し、文書により質問を行い、文書による回答を求めることができます。
(町長による政策形成過程等の説明)
第11条
議会は、町長が議会に計画、政策、施策及び事業等(以下「政策等」といいます。)を提案するときは、政策等の水準を高めるため、次に掲げる重要な政策等の形成過程を説明するよう求めます。
(1)
政策等を必要とする要因又は背景
(2)
他の政策案との比較検討
(3)
関係する法令及び条例・規則等
(4)
町の基本的な計画等との整合性
(5)
政策等の実施に係る財源措置
(6)
将来にわたる政策等に係るコスト計算
第5章 議会運営
(通年議会)
第12条
議会が本来有する自律性に基づき主体的、機動的な活動を展開し、その使命を果たすことができるようにするため、定例会の回数は年1回とし、その会期を通年とします。
2
議会の会期を通年とするための必要な事項は別に定めます。
(議会の議決事項)
第13条
地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」といいます。)第96条第2項に規定する議会の議決事項は、次に掲げるとおりとします。
(1)
小野町振興計画審議会条例(昭和51年条例第17号)に基づき、審議会への諮問、答申を経て策定される計画の策定、変更又は廃止
[
小野町振興計画審議会条例(昭和51年条例第17号)
]
(調査活動等)
第14条
議会は、町長等の事務の執行が適正かつ効率的又は効果的に行われているかについて、必要に応じ、法に基づく検査又は調査を行います。
(自由討議による合意形成)
第15条
議会は、議員による討議の場であり、本会議及び委員会において、議員相互の討議を中心に運営します。
2
議会は、本会議及び委員会において、議員提出議案、町長提出議案並びに請願及び陳情等を審議し結論を出す場合には、議員相互の自由討議により議論を尽くして合意形成に努めます。
3
議員は、条例、意見書等の議案の提出を積極的に行うように努め、議員相互の討議により議論を尽くして合意形成を行います。
(議長、副議長志願者の所信表明)
第16条
議長、副議長の選出に当たり、議会活動の方向性を明確にし、議会の透明性をより一層高め、議会の責務を強く認識するため、それぞれの職を志願する者は所信を表明することができます。
(委員会活動)
第17条
委員会は、議案等の審議及び審査並びにその所管に属する事務の調査の充実を図ることにより、その設置目的が十分に発揮されるよう積極的に活動を行います。
2
常任委員会を代表する議員は、本会議において議長の許可を得て、所管事務に関する質問をすることができます。
第6章 議員定数及び報酬
(議員定数)
第18条
議員定数は、別に条例で定めます。
2
議員定数の改正に当たっては、行財政改革の視点だけでなく、町政の現状と課題、将来の予測と展望を十分に考慮するとともに、議員活動の評価等に関して町民の意見を聴取するため、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用します。
3
議員定数の条例改正議案は、町民の直接請求による場合及び町長が提出する場合を除き、明確な改正理由を付して、委員会又は議員から提出します。
(議員報酬)
第19条
議員報酬は、別に条例で定めます。
2
議員報酬の改正に当たっては、行財政改革の視点だけではなく、町政の現状と課題、将来の予測と展望を十分に考慮するとともに、議員活動の評価等に関して町民の意見を聴取するため、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用します。
3
議員報酬の条例改正議案は、町民の直接請求による場合及び町長が提出する場合を除き、明確な改正理由を付して、委員会又は議員から提出します。
第7章 議会及び議会事務局の体制整備
(議員研修の充実強化)
第20条
議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上等を図るため、議員研修の充実強化を図り、この条例の理念を議員に浸透させるよう努めます。
(議会事務局の体制整備)
第21条
議会は、議会の政策立案能力を向上させ、議会活動を円滑かつ効率的に行うため、事務局機能の充実強化を図るよう努めます。
(適正な議会費の確立)
第22条
議会は、議事機関としての機能を確保するとともに、より円滑な議会運営を実現するため、必要な予算の確保に努めます。
2
議会は、議長交際費を含めて、議会費の使途等を議会広報及び議会ホームページ等により町民に公表します。
(議会図書室の充実)
第23条
議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書室の充実を図ります。
(議会改革の推進)
第24条
議会は、議会改革に継続的に取り組み、かつ、確実に推進するよう努めます。
第8章 災害対応
(災害時の対応)
第25条
議会は、町民の生命又は生活に直接影響を及ぼす災害等が発生した場合は、町民及び地区等の状況を的確に把握するとともに、議会としての業務を継続し、町長等に速やかに必要な要請を行います。
2
前項に規定する場合には、議会は必要に応じて、小野町議会災害対策本部を設置します。
3
前2項に関して必要な事項は、別に定めます。
第9章 最高規範性及び見直し手続き
(最高規範性)
第26条
この条例は、議会の最高規範であって、この条例に違反する条例、規則及び規程等を制定しません。
2
議会は、議会に関する法律及びその他の法令等の条項を解釈し、運用する場合においても、この条例に定める理念及び原則に照らして判断します。
(見直し手続)
第27条
議会は、常に町民の意見、社会情勢の変化等を勘案し、必要に応じてこの条例の改正その他の必要な措置を講じます。
2
議会は、この条例を改正する場合には、本会議において改正の理由及び背景等を詳細に説明します。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。