○椎葉村監査基準
(平成18年4月1日基準第1号)
改正
平成19年3月30日基準第1号
目次

第1章 総則
第1節 一般基準(第1条-第3条)
第2節 実施基準(第4条-第8条)
第3節 報告基準(第9条-第11条)
第2章 監査等の実施
第1節 監査等の種類(第12条)
第2節 監査等の事前手続(第13条-第16条)
第3節 監査等の実施手続(第17条-第19条)
第3章 監査等の結果に関する報告(第20条-第23条)
附則

第1章 総則
第1節 一般基準
(目的)
第1条 この基準は、地方自治法(以下「法」という。)、地方公営企業法及び椎葉村監査委員条例(昭和42年条例第35号)の規定に基づいて監査委員が行う監査、検査及び審査(以下「監査等」という。)の実施に関し、必要な事項を定めることを目的とする。
(監査委員の使命)
第2条 監査委員は、法令により定められた権限に基づいて、村の財務に関する事務の執行及び村の経営に係る事業の管理又は村の事務等(以下「事務事業」という)について監査等を実施し、その結果を報告及び公表することにより、公正で効率的かつ民主的な行財政の執行の確保に資し、もって村民の福祉の増進と地方自治の本旨の実現に寄与するものとする。
(監査委員の責務)
第3条 監査委員は、監査等の実施及び報告書の作成にあたっては豊富な知識と深い理解を持ち、適確な判断力かつ正当な注意を持ってあたらなければならない。
2 監査委員は、事実の調査、確認、判断を行うにあたっては事実に基づき常に公正不偏の態度を保持しなければならない。
3 監査委員及びその事務を補助する職員(以下「事務補助職員」という。)は、職務上知り得た秘密を他に漏らしたり、自らひそかに用いたりしてはならない。
4 監査委員は、適切な監査計画に基づいて、事務補助職員に対して必要な指示をしなければならない。
第2節 実施基準
(実施の基本方針)
第4条 監査等の実施に当っては、事務事業の執行が椎葉村の予算及び議会の議決並びに法令等に則ってなされているかに留意し、違法、不正、不当は徹底的に追求するものの、摘発主義に陥ることなく、常に指導的監査に徹するように配慮するものとする。
(計画的な監査の実施)
第5条 監査等は、毎年度、年度開始前、年間監査計画を策定して、計画的、効率的かつ適時に実施するものとする。
2 監査等の実施に当っては、必要に応じ、事前に重点目標等を示す実施計画を作成し、整然かつ重点的実施に心がけるものとする。
(監査の調整)
第6条 監査等の計画策定及び実施にあたっては、個々の監査等に有機的な関連を持たせ、総合して成果があががるように調整運用しなければならない。
(監査等の実施手続きの摘用基準)
第7条 監査等の実施手続きの摘用は、監査等の種類、対象、目的、管理点検体制及び内部検査の信頼性の程度を勘案して、試査又は精査による。試査による場合はその範囲を合理的に決定しなければならない。
2 試査は、監査等の対象となっている事項について、その一部抽出して調査し、その結果によって全体の正否又は適否を推定するものとする。
3 精査は、監査等の対象となっている事項について、全部にわたり精密に監査し、その正否又は適否を明らかにする。
(合理的証拠確保の基準)
第8条 監査委員は、監査項目の重要性、相対的危険性その他の諸要素を十分考慮して、合理的な証拠を入手するまで監査等を実施しなければならない。
第3節 報告基準
(報告、意見書の提出及び公表)
第9条 監査委員は、監査等を終了したときは、不正不偏な態度をもって報告書、意見書(以下「報告書等」という)を決定し、速やかに提出及び公表の手続きをとらなければならない。
(報告書等の作成)
第10条 報告書等には、監査委員の責任の範囲を明確にするために必要な項目を記載する。
2 監査等の結果は、簡潔明瞭かつ平易な文章で記述し誤解を招く表現のないように留意しなければならない。
3 指摘事項については、合理的な基礎に基づかなければならない。
(報告書等の提出等以前の周知の禁止)
第11条 監査等の結果は、原則として報告書等の提出等以前に、村長等の関係者以外の者に知らせてはならない。
第2章 監査等の実施
第1節 監査等の種類
(監査等の種類)
第12条 監査等の種類と対象・主眼点は、次のとおりとする。
監査等の区分種類法又は地方公営企業法の根拠規定対象・主眼点結果に関する報告等決定における合議の要否監査等の結果報告後の処置
監査1号定期監査法第199条第4項毎会計年度1回以上期日を定めて
ア、村の財務に関する事務の執行が、適正かつ効率的に行われているかどうか
イ、村の経営に係る事業の管理が、合理的かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
議会及び村長等に提出し公表

2号随時監査法第199条第5項必要があると認めたとき、定期監査に準じて実施するもの
3号行政監査法199条第2項必要があると認めたとき、事務事業の執行が、
ア、合理的かつ効率的に行われているか
イ、法令等の定めるところに従って適正に行なわれているかを主眼として 適時に実施するもの
4号財政援助団体等に対する監査法第199条第7項財政援助を与えている団体、出資法人及び公の施設の管理受託者等に対し、必要があると認められるとき、又は村長の要求に基づき当該財政の援助等に係る出納その他の事務の執行が適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
5号公金の収納又は支払事務に関する監査法第235条の2第2項又は地方公営企業法第27条の2第1項指定金融機関等に関し、必要があると認められるとき、又は村長若しくは企業管理者の要求に基づき、公金の収納又は支払の事務が、法令等の規定及び指定契約の約定のとおり行われているかどうかを主眼として実施するもの議会及び村長に提出
6号住民の直接請求に基づく監査法第75条請求に係る事務の執行について実施するもの請求代表者に送付
議会・村長に提出
7号議会の要求に基づく監査法第98条第2項要求に係る事務について実施するもの議会に提出
8号村長の要求に基づく監査法第199条6項要求に係る事務について実施するもの議会及び村長等に提出
9号住民監査請求に基づく監査法第242条請求の内容について実施するもの
※請求に理由がないと認められる時書面で請求人に通知し公表
 請求に理由があると認められるとき、議会及び村長等に勧告し請求人に通知し公表
10号村長及び企業管理者の要求に基づく職員の賠償責任に関する調査法第243条の2第3項又は
 地方公営企業法第34条の規定
要求に係る事実の有無等について実施するもの村長に通知
検査11号例月現金出納検査法第235条の2第1項副村長及び企業管理者の保管する現金(歳計現金、歳入歳出外現金、及び基金に属する現金をいう。以下同じ。)の在高及び出納関係諸表等の計数の正確性を検認するとともに、現金の出納事務が適法厳正に行なわれているかどうかを主眼として実施するもの議会及び村長に提出
審査12号決算審査法第233条第2項又は地方公営企業法第30条第2項の規定決算、証書類その他関係書類の正確性を検認するとともに、予算の執行、財政の運営、事業の経営が、適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの村長に意見を提出
13号基金の運用状況審査法第241条第5項定額資金運用基金の運用状況を示す書類の計数の正確性を検認するとともに、運用が適切かつ効率的、計画的に行なわれているかどうかを主眼として実施するもの村長に意見を提出
第2節 監査等の事前手続
(監査計画の作成)
第13条 年間監査計画は、次の各号に掲げる事項について定める。
(1) 年間における実施予定の監査等の種類及び対象
(2) 監査等の対象別実施予定時期
(3) その他、監査等の実施に関し必要と認める事項
2 実施計画は、監査等の種類毎に次の各号に掲げる事項について定める。
(1) 監査等の種類
(2) 監査等の対象事務等
(3) 監査等の対象期間
(4) 監査等の実施場所及び日程
(5) 監査等の基本方針及び重点目標
(6) 監査等の項目及び主要着眼点
(7) 監査等の実施手続
(8) その他必要と認める事項
(事前調査)
第14条 監査等を実施するにあたっては、特別の場合を除き、村長副村長若しくは企業管理者等に対し、監査等の種類、期日、場所等をあらかじめ通知する。
(資料要求等)
第15条 監査等を実施するにあたっては、あらかじめ項目及び様式を定めて、監査等に必要な監査等調書又は資料を提出させ、必要に応じて事務事業の概要について説明を求める。
2 前項の規定のよる調書のうち、第12条の1号の定期監査及び11号の例月現金出納検査に係る調書の様式は、別記様式第1及び別記様式第2のとおりとする。
(事前研究)
第16条 監査等を実施するにあたっては、あらかじめ関連法規等の調査研究を行い、基礎知識をかん養する。
2 前条の規定により提出された調書又は資料について検討し、その問題点を把握する。
3 前回までの監査等における指摘内容、改善措置及び問題点を集約、確認する。
第3節 監査等の実施手続
(監査等の実施手続の選択適用)
第17条 監査等は、契約書、関係諸帳簿、証拠書類等に対して、次に掲げる(1)通常実施すべき監査等の実施手続及び(2)その他の監査等の実施手続の監査技術を選択適用して実施する。
(1) 通常実施すべき監査等の実施手続
ア 照合 証憑突合、帳簿突合及び計算突合等のように関係諸記録を相互に突き合わせ、その記録又は計算の正否を確かめること。
イ 実査 事実の存否について、実地に現物検証、現場検証等によって直接検証すること。
ウ 立会 主として物品等の在庫高調査を行う際に、現場に立ち会い、その実施状況を視察して正否を確かめること。
エ 確認 事実の存否について、写真その他の証拠書類、又は当該事項に関係のない第三者の証言等をもって確認すること。
オ 質問 事実の存否又は問題点について、当事者、関係者又は第三者に問いただして、説明又は回答を求めること。
カ 分析 事実の性質、内容を究明し、これを構成要素別、時間別、比率別、問題別等に分析して異常の有無を確かめること。
キ 比較 年度別、時間別、関係要素別等による複数の数値を対照させて観察し、その異同を通じて問題点の有無を確かめること。
(2) その他の監査等の実施手続
ア 通査 帳簿等関係諸記録を一とおり検討して、異常事項や例外事項を発見し、間題点を明らかにすること。
イ 比率吟味 財務分析上の比率法を応用して、記録の正否又は適否を大局的に判断すること。
ウ 調整 源泉を等しくし、相互に関連のある計数が別々に整理されている場合、それら2組の計数の過不足を追及し、両者が事実上一致するかどうかを確かめること。
エ 総合 諸種の事実を総合して、総括的な観点から事実を判断すること。
(監査等の実施手続の適用)
第18条 第12条1号から5号まで、12号及び13号に掲げる監査等における監査等の実施手続の適用は、原則として試査による。ただし、試査によって異常を発見した場合には、当該事項について、必要と認めるときは、範囲を拡大して精査によるものとする。
(学識経験者等からの意見聴取)
第19条 監査等の実施にあたって、必要があると認めるときは、学識経験を有する者等から意見を聞くものとする。
第3章 監査等の結果に関する報告
(監査等の講評)
第20条 監査等に基づく監査対象課等の長に対する講評は、監査等の結果に関する報告の決定の前に行ない、これに対する弁明又は意見を聴取するものとする。
(報告書等の提出及び公表等)
第21条 監査等の検査を終了したときは、結果に関する報告書等を次の各号により、提出及び公表しなければならない。
公表は、椎葉村公告式条例によるほか、村広報に掲載するなど、広く住民に周知することができる方法により行なう。
(報告書等の記載事項)
第22条 監査等の結果に関する報告書及び審査意見書には、おおむね次の各号に掲げる事項を記載する。
(1) 報告等の提出日付
(2) 監査等を実施した監査委員名(委員一人で監査した場合)
(3) 監査等の種類
(4) 監査等の概要
ア 監査等の実施期間
イ 監査等の対象とした課等又は団体名
ウ 監査等の対象とした事項及び範囲
エ その他監査等の目的又は着眼点
(5) 監査等の結果
ア 事務の執行、事業の管理状況等における問題点とこれに対する監査委員の判断と意見
イ 指摘事項(必要に応じて改善事項等に関する意見・注意事項等を付記する。)
(監査等の結果報告後の処置)
第23条 監査等の結果、指摘した事項又は表明した意見については、村長等から適時措置状況についての報告を求めるものとする。
2 第12条1号から4号まで、及び8号の監査に係る村長からの措置状況報告は、速やかに公表する。
3 第12条9号住民監査請求に係る勧告に基づき、議会又は村長等から必要な措置を講じた旨通知があったときは、これを請求人に通知し、かつ公表する。
4 公表の方法については、第22条後段の規定を準用する。
附 則
この監査基準は、平成18年4月1日より施行する。
附 則(平成19年3月30日基準第1号)
この基準は、平成19年4月1日から施行する。