○富岡町認知症総合支援事業実施要綱
(平成30年3月30日告示第14号)
目次

第1章 総則(第1条-第3条)
第2章 初期集中支援推進事業(第4条-第9条)
第3章 地域支援・ケア向上事業(第10条-第12条)
第4章 雑則(第13条・第14条)
附則

第1章 総則
(趣旨)
第1条 この要綱は、認知症になっても、できる限り住み慣れた環境で安心して生活するために、医療と介護の連携強化や認知症の人及びその家族への効果的な支援体制の強化を図ることを目的として、富岡町が実施する富岡町認知症総合支援事業について必要な事項を定める。
(実施主体)
第2条 この事業の実施主体は、富岡町とする。
(事業内容)
第3条 認知症総合支援事業として、次に掲げる事業を実施するものとする。
(1) 認知症初期集中支援推進事業(以下「初期集中支援事業」という。)
(2) 認知症地域支援・ケア向上事業(以下「地域支援・ケア向上事業」という。)
第2章 初期集中支援推進事業
(目的)
第4条 初期集中支援事業は、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域で暮らし続けられるために、認知症の人及びその家族に早期に関わる認知症初期集中支援チーム(以下「支援チーム」という。)を配置し、早期診断及び早期対応に向けた支援体制を構築することを目的とする。
(支援対象者)
第5条 富岡町に住民票を有し、原則として、40歳以上で、在宅で生活しており、かつ、認知症が疑われる者又は認知症と診断された者のうち、次のいずれかに該当する者とする。
(1) 認知症疾患の臨床診断を受けていない者
(2) 継続的な医療サービスを受けていない者
(3) 適切な介護サービスに結びついていない者
(4) 介護サービスが中断している者
(5) 医療又は介護サービスを受けている者で、認知症の行動及び心理症状が顕著である者
(支援チームの配置及び役割)
第6条 支援チームは、地域包括支援センターに配置し、認知症に関する専門的な知識及び技能を有する医師の指導の下、複数の専門職員が家族の訴え等により、支援対象者及びその家族の自宅を訪問し、観察、評価及び家族支援等の初期対応を包括的かつ集中的に行い、自立生活のサポートを行うものとする。
2 支援チームは、地域包括支援センター職員、町職員、かかりつけ医師、かかりつけ歯科医師、介護事業者等との連携を常に意識し、情報共有できる仕組みを確保するものとする。
3 支援チームは、地域包括支援センターで行う調査及び情報収集をもとに、チーム員会議を定期的、又は必要に応じて随時に開催し、初期集中支援事業の支援対象者を決定するとともに、おおむね6月を経過したときに事業の終了を決定するものとする。
4 支援チームは、事業終了と判断された支援対象者及びその家族が安心して生活できるよう、医療機関や、チーム員以外の地域包括支援センター職員、介護支援専門員等に対し、支援内容や経過について引き継ぎを行うものとする。
(チーム員の構成)
第7条 認知症初期集中支援チーム員(以下「チーム員」という。)は、専門職の職員2名以上及び専門医師1名をもって構成する。
2 前項の専門職員とは、次に掲げる要件の全てを満たす者をいう。
(1) 保健師、看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、歯科衛生士、言語聴覚士、精神保健福祉士、介護支援専門員又はこれらに準ずる者であり、かつ、認知症に関する医療又は介護の専門的知識及び経験を有すると町が認めた者
(2) 認知症ケア、在宅ケアに関する業務若しくは相談業務等に通算3年以上携わった経験がある者又は国が別に定める認知症初期集中支援チーム員研修を受講し、必要な知識及び技能を取得した者若しくはその他これに準じる者
3 第1項の専門医師とは、日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医師又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師のいずれかに該当し、かつ厚生労働省の定める認知症サポート医養成研修を修了した医師をいう。
(チーム員の事業内容)
第8条 チーム員は、支援チームが決定した支援対象者及びその家族に対する観察、評価及び訪問活動等による支援を早期に開始し、おおむね6月の間に行うことで、医療及び介護サービスの提供による安定的な支援体制を構築するものとする。この場合においては、チーム員は関係機関との情報共有及び連携強化に努めなければならない。
2 専門医師は、初期集中支援が円滑に行えるよう、チーム員会議又は訪問時において適宜指導を行う。
3 事業終了と判断された支援対象者に対し、事業終了後2月を経過した後に、医療並びに介護サービスの利用状況等について評価し、必要に応じて随時モニタリングを行う。
(認知症初期集中支援チーム検討委員会の設置等)
第9条 認知症初期集中支援チーム検討委員会(以下「検討委員会」とする。)を設置し、支援チームの活動状況及び関係機関との連携、その他事業に必要な事項に関して、検討を行うものとする。
2 検討委員会は、医療、保健並びに福祉に携わる関係者等から構成される富岡町地域包括支援センター運営協議会をもって充てるものとする。
第3章 地域支援・ケア向上事業
(目的)
第10条 医療機関、介護事業所及び地域の関係機関等との連携を図るため、認知症の人及びその家族に対する相談業務等を行う認知症地域支援推進員(以下「推進員」という。)を配置し、支援体制の構築と認知症ケアの向上を図ることを目的とする。
(推進員の配置及び役割)
第11条 次のいずれかの要件を満たす者を1名以上、地域包括支援センター及び社会福祉法人等に配置する。なお、推進員は前章におけるチーム員との兼務を妨げるものではない。
(1) 認知症の医療や介護における専門的知識及び経験を有する医師、保健師、看護師、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士、精神保健福祉士、社会福祉士又は介護福祉士
(2) 前号に掲げた者のほか、認知症の医療や介護における専門的知識及び経験を有する者として町が認めた者
2 推進員は、国が別に定める認知症地域支援推進員研修を受講するものとする。
3 推進員は、厚生労働省、福島県、その他関係機関等が実施する研修会並びに関係者によるネットワーク会議等に参加することで、活動を行う上で有すべき知識の向上に努めるものとする。
(推進員の活動)
第12条 推進員の行う活動の内容及び方法は、次に掲げるとおりとする。
(1) 地域包括支援センター、認知症疾患医療センターを含む医療機関、介護サービス事業所並びに地域住民等との協力や連携による認知症の人及びその家族のための相談支援体制を地域において構築する取組み
(2) 認知症の人及びその家族に対する集いの場等を提供することで、家族の介護負担軽減を図る取組み
(3) 認知症の人及びその家族、地域住民が認知症に関する正しい知識と理解を得るための認知症サポーター養成講座の開催及び町が作成する認知症の状況が発生した場合に必要な医療、介護サービス受給までの流れを示した認知症ケアパスの活用による認知症への理解を深め普及啓発する取組み
(4) 医療及び介護サービス関係者が相互の役割及び機能を理解し、認知症の人及びその家族に対する効果的で専門的な支援を行うため、認知症多職種協働研修等を実施する取組み
第4章 雑則
(守秘義務)
第13条 本事業により取得した個人情報について、プライバシーの尊重及び保護に万全を期すものとし、正当な理由がなく他に漏らしてはならない。なお、その職を退いた後も、また同様とする。
2 本事業における支援対象者及びその家族に関する情報、事業内容等を記録した書類は、事業終了の日から5年間保管しなければならない。
(補則)
第14条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、町長が別に定める。
附 則
この要綱は、平成30年4月1日から施行する。