○宇美町長交際費に関する公文書の開示基準
(平成14年10月30日告示第96号) |
|
第1 基準策定の趣旨
町長交際費支出に関する公文書については、町長の交際事務という性格から、これまで慎重な取扱いがなされてきた。とりわけ、相手方に対する交際の態様が明らかになると、交際の相手方から不満や不快の念を抱く者が出ることが容易に予想される。そのようなことになると、交際の相手方と町との信頼関係又は友好関係を損うなうおそれがあり、交際それ自体の目的に反するとともに、交際事務の目的が失われるおそれがある。しかしながら、町政運営の透明度をより高め、町政に関する情報を町民とともに共有することは極めて重要であり、町長交際費においても同様である。
したがって、町長交際費支出に関する公文書について、開示基準を定めることとしたものである。
第2 開示基準
1 生花、供花、樒
生花、供花、樒は、例えば、葬儀に際し、宇美町の名を付して一般参列者の日にふれる場所に飾られるのが通例であるから、一般に公開されることがもともと予定されているものと認められる。また、これらに要した費用額は、その生花などを見ることによりおおよそ想像がつくところであるから、支出額を非公開とすべきものでもない。
これらに関する公文書については、原則開示とするものとする。
2 会費
会費は、会に所属すればその運営に要する費用を会費として負担するのは通常であるから、これらの支出に関する公文書が公開されたとしても、その交際事務の目的が達成できなくなるおそれ又はそれを公正かつ適切に行うことに著しい支障を及ぼすおそれがあるとは認められない。
これらに関する公文書については、原則開示とするものとする。
3 会費に代わる祝金
会費に代わる祝金は、国会議員等又は政界関係者後援会等の行う会合に出席した際に会費を支払わないかわりに祝金を贈るもので、そのような会合に出席すること自体は秘密でないと認められることから、この交際は公開されたものと認められる。
これらに関する公文書については、原則開示とするものとする。
4 見舞
見舞は、病気その他望ましくないことにあった者に対するものであることから、これらに関する公文書のうち、相手方の記載された部分は、不開示とすることができるものとする。
なお、病気等の者が公務員であっても、病気等自体は私的なものであるから、見舞に関する交際の関係では、私人を相手方とするものである。
5 香料
香料は、弔意のためのものであるが、生花などとは異なり、一般参列者の目にふれる所に飾られるなどによって香料が供えられたことや、その金額が一般に公開されているものではないことから、これらに関する公文書のうち、相手方(関係逝去者を含む。)の記載された部分は、不開示とすることができるものとする。
これらの支出された月日については、支出の日を公開しても一般人が通常入手できる関連情報と照合しても、香料を贈られた相手方(関係逝去者を含む。)の氏名が判明する可能性がない場合に限り、開示することができるものとする。
なお、逝去者やその親族が公務員であっても、同様とする。
6 懇談会
懇談会に係る交際は、少なくともその内容が不特定の者に知られ得る状態でされたものということはできず、この交際費に関する情報は、相手方の氏名等が外部に公表、披露されることがもともと予定されているものなど、相手方の氏名等を公にすることにより当該若しくは同種の交渉等事務としての交際事務の実施の目的が達成できなくなるおそれ又は当該若しくは同種の企画調整等事務や交渉等事務としての交際事務を公正かつ適切に行うことに著しい支障を及ぼすおそれがあるとは認められないようなものということはできないことから、懇談会に関する公文書のうち、その出席者及び主催者については、不開示とすることができるものとする。
7 餞別、賛助、援助
餞別、賛助、援助は、極めて儀礼的な周年祝とは異なり、活動の趣旨などによりその必要性や効果などを個別的に検討して決定される性格のものであって、相手方に公開によって不満や不快の念を抱く者がでることが予測されることから、これらに関する公文書のうち、相手方の記載された部分は、不開示とすることができるものとする。
8 団体への祝金
団体への祝金は、周年祝という極めて儀礼的な祝金であることから、この祝金の相手方や金額が公開されても、相手方に公開によって不満や不快の念を抱くおそれは認められない。また、これを公開しても交際事務を適切に行うことに著しい支障を及ぼすおそれがあるとは、認めることができない。
これらに関する公文書については、原則開示とするものとする。
9 その他の個人への祝金
その他の個人への祝金は、団体への祝金とは異なり、相手方との個人的な特別な関係に着目して贈られるものであるから、相手方に公開によって不満や不快の念を抱く者がでることが予測されることから、これらに関する公文書のうち、相手方の記載された部分は、不開示とすることができるものとする。
10 債権者の印影及び銀行口座情報
領収書等に記載されている債権者の印影及び銀行口座情報は、法人等又は個人が事業を営む上で必要とされる事業に係る金銭の出納にかかわる情報であり、どの範囲で誰にこれらの情報を明らかにするかは当該法人等又は個人の経営にかかわる部分が大きいといえ、町に対する代金等の請求においてこれらの事項が記載されているからといって、取引関係にない一般の者にまで広くこれを公開することを当該法人等又は個人が予定しているとは到底いえず、これらの情報を公開することは、当該法人等又は個人の正当な利益を害するおそれがあることから、領収書等に記載されている債権者の印影及び銀行口座情報は、不開示とすることができるものとする。
第3 適用関係
この基準は、平成14年11月1日以後に作成又は取得した町長交際費支出に関する公文書について適用する。