○宇美町政治倫理条例
(平成7年12月25日条例第35号)
改正
平成14年3月29日条例第4号
平成14年7月1日条例第15号
平成19年9月28日条例第25号
(目的)
第1条
この条例は、町政が町民の厳粛な信託によるものであることを認識し、その負託に応えるため、町長及び町議会議員(以下「議員」という。)が全町民の奉仕者として、人格と品位及び倫理の向上に努め、いやしくも自己の地位による影響力を不正に行使して、自己の利益を図ることのないよう、ここに政治倫理に関する規律の基本となる条項を定めることにより、常に自己の良心に照らし合わせ誠実かつ公正にその職務を行うを真実とし、公正で開かれた民主的な町政の発展に寄与することを目的とする。
(町長及び議員の責務)
第2条
町長及び議員は、町民全体の代表者として、町政にかかわる権能と責務を深く自覚し、地方自治の本旨に従って、その使命の達成に務めなければならない。
(町民の責務)
第3条
町民は、清潔でわかりやすい町行政のあり方、円滑な議会運営が行われるよう常に監視し、町民自らも町長及び議員に対して自己に有利な取りはからいをするような働きかけをしてはならない。
(政治倫理基準)
第4条
町長及び議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。
(1)
町民全体の代表者として、その品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑をもたれる恐れのある行為をしないこと。
(2)
常に町民全体の奉仕者として、その人格と倫理の向上に務め、その社会的地位を利用し、いかなる金品も授受してはならない。
(3)
町が行う請負契約及び一般物品納入契約に関し、特定の業者、団体等のために、町民の疑惑を招くような関与をしないこと。
(4)
町の発注する請負契約及び一般物品納入契約に関与し、又、これから関与しようとする業者との金品の授受は一切行なわないこと。
(5)
町職員採用に関して推薦又は紹介はしないこと。
(6)
政治活動に関し、企業、団体等から、政治的又は道義的批判を受けるおそれのある寄付等を受けないものとし、その後援団体についても同様に措置すること。
2
町長及び議員は、町民の信頼に値するより高い倫理的義務に徹し、政治不信を招く公私混同を断ち、政治倫理に反する事実があるとの疑惑を持たれた場合には、自らの潔い態度でもって、その疑惑を解明し、責任を明らかにするよう努めなければならない。
(資産及び所得等報告書の提出義務)
第5条
町長及び議員(前年1年間を通じて町長又は議員であった者に限る。)は、毎年1月1日現在の資産、地位及び肩書並びに前年1年間の収入及び贈与等について、毎年5月1日から同月31日までの間に次条に定める資産及び所得等報告書(以下「報告書」という。)を町長に係るものについては町長に、議員に係るものについては町議会議長(以下「議長」という。)に提出しなければならない。
2
町長及び議員が1月1日から同年5月31日までに任期満了、議会の解散による任期終了又は退職等により当該町長又は議員でなくなったときは、前項の報告書を提出することを要しない。
3
町長及び議長は、その報告書を提出期限から15日以内に告示し、町民の閲覧に供しなければならない。
4
報告書の閲覧期間は、閲覧に供した日から次項に定める報告書の保存期間までとする。
5
報告書の保存期間は、町長又は議員の在任期間中とする。
ただし、当該保存期間が、報告書を提出すべき期間の末日が属する会計年度の翌会計年度の初日から起算して1年を経過したときは、当該保存期間は、当該1年を経過した日までとする。
6
町民は閲覧により知り得たことは、第1条の目的にそうよう適正に活用しなければならない。
[
第1条
]
(報告書)
第6条
資産及び所得報告書には、次の各号に掲げる事項を記入するものとする。
(1)
収入、贈与及びもてなし
ア
給与、報酬、事業所得、配当金、利子、賃貸料、謝礼金、講演料、原稿料、年金及びその他収入の出所及び金額、
ただし1件当たり2万円以上のもの
イ
贈与及びもてなし(交通、宿泊、飲食、娯楽等)を受けた場合には、その出所、内容及びその価額又は金額。
ただし、1件当たり2万円以上のもの
(2)
資産
ア
土地 所在、地目、面積、価額及び取得の時期、但し価額にあっては固定資産評価額とする。
イ
建物 所在、種類、構造、床面積、価額及び取得の時期、但し価額にあっては固定資産評価額とする。
ウ
不動産に関する権利 地上権、賃借権等権利の種類、契約の相手、契約の期日及び期間、契約価額
エ
動産 価額50万円以上の動産の種類、価額及び取得の時期(自動車、航空機、船舶、書画、骨董、美術工芸品等、但し通常生活に必要な家具、什器及び衣服類を除く。)
オ
預貯金 預貯金の預入金融機関及び金額(当座預金、普通預金、普通貯金を除く。)
カ
有価証券 公債又は社債の名称、種類及び額面の総額、株式の銘柄、株数及び取得の時期
出資先、出資の額及び出資の時期又はその他の有価証券の種類及び額面の総額
キ
信託に関する権利 信託に関する権利の種類、受託者、信託財産の種類、数量及び価額並びに信託の時期
ク
貸付金・借入金 貸付金及び借入金の明細(申告時の現在高)
ケ
保証債務 町長等及び議員就任後の金銭保証及び身元保証等の保証債務
コ
会員権 ゴルフ会員権、テニス会員権、スポーツクラブ会員権、各種クラブ会員権等の種類の名称、購入の時期、口数及び額面総額
(3)
地位及び肩書
ア
企業その他の団体(宗教的、社会的及び政治的団体を除く。)において、有するすべての地位及び肩書
イ
公職を退いた後の雇用に関する契約、その他の取り決めについての当事者及び条件
(4)
税等の納付状況
ア
町民税、固定資産税、国民健康保険税及び軽自動車税の5月31日現在における前年度分の納付状況
イ
普通地方公共団体に関する使用料等の5月31日現在における前年度分の納付状況
ウ
上、下水道料金等の5月31日現在における前年度分の納付状況
(宣誓書の提出)
第7条
町長及び議員は、規則で定めるところにより、この条例を遵守する旨の宣誓書を提出しなければならない。
(政治倫理審査会の設置)
第8条
政治倫理に関する重要な事項を審査、その他の処理を行うため、地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づき、宇美町政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を置く。
2
審査会の委員は、8人以内とし、社会的に信望があり、政治倫理及び報告書の審査等に関して専門的知識を有する者及び地方自治法第18条に定める選挙権を有する町民のうちから、町長が委嘱する。
3
審査会の委員の任期は、2年とし、再任されることを妨げない。
なお、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4
審査会は、次に掲げる職務を行う。
(1)
報告書の審査結果を、町長に係るものについては町長に、議員に係るものについては議長に報告すること。
(2)
第14条、第15条及び第16条の説明会に際し、町長の諮問を受けて町長に係るものについては町長に、議員に係るものについては議長に意見書を提出すること。
[
第14条
] [
第15条
] [
第16条
]
(3)
その他、この条例による政治倫理の確立を図るため、町長の諮問を受けた事項につき、町長に対して必要な答申、勧告又は建議をすること。
5
審査会の会議は、非公開とする。
但し、やむを得ず公開とするときは、委員定数の3分の2以上の同意を必要とする。
6
審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。
その職を退いた後も又同様とする。
(報告書の審査)
第9条
議長は、第5条第1項の規定により提出された報告書の写しを町長に送付し、町長が取りまとめ毎年6月15日までに審査会に提出し審査を求めなければならない。
[
第5条第1項
]
2
審査会は、報告書に疑義があるときは、調査を行うものとする。
この調査は、報告義務者に対する事情聴取、資料提出要求等のほか、その関係者に対しても必要な調査を行うことができる。
3
審査会は、第1項の規定により審査を求められたときは、8月31日までに意見書を作成し、町長に提出しなければならない。
4
町長は、前項の規定により提出された意見書のうち、議員に係るものについては議長に送付しなければならない。
(審査結果の閲覧)
第10条
町長及び議長は、前条第3項及び第4項の規定により提出された意見書を受理した日から起算して15日以内に告示し、町民の閲覧に供するものとする。
2
意見書の閲覧期間は、閲覧開始の日から当該意見書に係る報告書の閲覧が終了する日までとする。
3
第5条第5項の規定は、意見書の保存期間について準用する。
この場合において、「報告書」とあるのは「意見書」と、「報告書を提出すべき期間の末日」とあるのは「前条第3項に規定する期日」と読み替えるものとする。
[
第5条第5項
]
(町民の調査請求権)
第11条
町民は、次の各号に掲げる事項があるときは、これを証する資料を添えて町長に係るものについては町長に、議員に係るものについては議長に調査を請求することができる。
(1)
報告書に疑義があるとき。
(2)
この条例に規定する政治倫理に反する行為をした疑いがあるとき。
2
前項の規定により調査を請求されたときは、議長は調査請求書と添付資料の写しを町長に送付し、町長は調査請求書と添付資料の写しを受理した日から起算して7日以内に審査会に提出し、審査を求めなければならない。
なお、町長に係るものについても同様とする。
3
第9条第2項から第4項までの規定は、前項の調査請求があった場合にこれを準用する。
[
第9条第2項
] [
第4項
]
4
町長及び議長は前項の規定により調査結果の報告を受けたときは、7日以内にその調査結果を請求者に文書で回答しなければならない。
(虚偽報告等の広報)
第12条
町長又は議長は、審査会の意見書に報告書の提出の遅滞、虚偽の報告又は調査に協力しなかった等の指摘があったときは、その旨を速やかに広報等で公表しなければならない。
(町長及び議員に対する措置)
第13条
町長及び議員が、第4条第1項各号に違背し、自らその責任を明らかにしないときは、町長及び議員に対しては議会が必要に応じて辞職勧告等の措置を行うものとする。
[
第4条第1項各号
]
2
町長及び議員が、第14条、第15条及び第16条に該当するときは、自ら辞職するよう努めなければならない。
但し引き続きその職にとどまろうとするときは、第14条、第15条及び第16条までの手続きを行うものとする。
[
第14条
] [
第15条
] [
第16条
] [
第14条
] [
第15条
] [
第16条
]
(贈収賄容疑による逮捕後の説明会)
第14条
町長及び議員が、贈収賄容疑による逮捕後、引き続きその職にとどまろうとするときは、町長については町長に、議員にあっては議長に、町民に対する説明会の開催を求めることができる。
この場合当該町長又は議員は説明会に出席し、自ら釈明するものとする。
(贈収賄罪による起訴後の説明会)
第15条
町長又は議員が、刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4まで及び第198条に定める贈収賄罪による起訴後、引き続きその職にとどまろうとするときは、町長については町長に、又、議員については議長に、町民に対する説明会の開催を求めなければならない。
この場合、当該町長又は議員は説明会に自ら出席し釈明しなければならない。
2
町民は、前条又は前項の規定による説明会が開催されないときは、地方自治法第18条の規定に基づく選挙権を有する者、50名以上の連署を以て当該議員に説明会開催を請求することができる。
3
前項の開催請求は、逮捕後の説明会にあっては、起訴又は不起訴の処分がされるまでの間に行い、起訴後の説明会にあっては、起訴された日から50日以内に行うものとし、町長については町長に、議員については議長を通じて行うものとする。
4
町民は説明会において、当該町長又は議員に質問することができる。
(贈収賄罪による第一審有罪判決後の説明会)
第16条
町長又は議員が、刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4まで及び第198条に定める罪により第一審有罪の判決を受け、なお、引き続きその職にとどまろうとするときは、前条第1項から第4項までを準用する。
但し、開催請求の期間は、判決の日から30日を経過した日、以後20日以内とする。
(贈収賄罪確定後の措置)
第17条
町長又は議員が、前条の有罪判決の言い渡しを受け、その刑が確定したときは、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第11条第1項その他法律の規定により失職する場合を除き、町長については町長が、議員については議会がその名誉と品位を守り、町政に対する町民の信任を得るため、必要な措置をとるものとする。
2
議会は、前項の議員に対し、地方自治法第134条及び第135条の規定に基づき懲罰を科さなければならない。
(贈収賄罪確定後の立候補の辞退)
第18条
町長及び議員が、贈収賄罪の有罪判決を受け、その刑が確定したときは、それ以後は町長又は町議会議員の選挙の候補者となることを辞退するよう努めなければならない。
(公共事業の契約に対する遵守事項)
第19条
町長及び議員の配偶者及び同居の親族又は一親等以内の親族及び姻族は地方自治法第92条の2、第142条、第166条、第168条及び第180条の5の趣旨を尊重し、町が行う請負契約並びに下請工事を辞退し、いやしくも町民に対し疑惑の念を生じさせることがあってはならない。
2
町長及び議員の配偶者及び同居の親族、又は一親等以内の親族及び姻族の一般物品納入契約[宇美町契約規則(昭和42年規則第3号)第25条に定める場合を除く。]については、前項の規定を準用する。
[
宇美町契約規則(昭和42年規則第3号)第25条
]
(規則への委任)
第20条
この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。
附 則
1
この条例は、公布の日から施行する。
2
この条例第5条第1項の規定のうち、議員に限っては、平成9年に報告する報告書から適用する。
附 則(平成14年3月29日条例第4号)
この条例は、平成14年4月1日から施行し、平成14年1月1日から適用する。
附 則(平成14年7月1日条例第15号)
1
この条例は、公布の日から施行し、平成14年1月1日から適用する。
2
この条例の施行の日前に提出がなされた報告書又は意見書に係る保存期間については、第5条第5項又は第10条第3項の改正規定を準用する。
附 則(平成19年9月28日条例第25号)
この条例は、平成19年10月1日から施行する。