○相馬地方広域水道企業団工事監督員執務要綱
(平成11年3月5日訓令第4号) |
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(目的)
第1条 この要綱は、相馬地方広域水道企業団が執行する請負工事及び委託業務(以下「工事」という。)について、企業長が工事を監督するため、職員のうちから指定する者(以下「監督員」という。)の執務に関して、必要な事項を定めるものとする。
(監督の公正の原則)
第2条 監督員は、工事が公共福祉の向上に寄与することを認識し、監督にあたっては、この要綱の定めるところに従い、公正を旨とし厳正かつ適確な工事の完成を期するものとする。
(準拠事項)
第3条 工事の監督は、契約書に定めるもののほか、相馬地方広域水道企業団工事請負契約約款(平成9年訓令第12号。以下「約款」という。)に基づく設計図書により行うものとする。
(監督員の指定及び複数制)
第4条 監督員は、相馬地方広域水道企業団の契約に関する規程第36条第1項又は第38条第1項の規定による監督員をいう。
2 監督員の指定は、工事1件につき2名以上の職員を監督員指定簿(様式第1号)により指定するものとする。この場合、1名を正監督員とし他の者は副監督員とする。ただし、1件の設計金額が500万円未満の工事の場合又は複数監督員の指定が困難な場合においては、正監督員のみにすることができる。
3 水道の布設工事監督員に指定する場合は、水道法(昭和32年法律第177号)第12条第2項の規定により、政令で定める資格を有する者でなければならない。
(正監督員及び副監督員の職務)
第5条 正監督員は、指定を受けて工事施工上必要な次の職務を行うものとする。
(1) 調査及び測量
(2) 設計書及び特記仕様書の作成
(3) 契約の履行についての受注者又はその現場代理人に対する指示、承諾又は協議
(4) 設計図書に基づく工事施工のための詳細図等の作成及び交付又は受注者が作成したこれらの図書の承諾
(5) 設計図書に基づく工程の管理、立会い、工事施工状況の検査又は工事材料の試験若しくは検査
(6) 関連する2以上の工事における工程等の調整
2 副監督員は、正監督員を補佐し、正監督員に事故あるときはその職務を代行する。
(設計図書の作成)
第6条 監督員は、設計図書の作成にあたり、あらかじめ用地取得及び補償の状況、委託設計された内容等を十分把握し、工事の目的に過不足なく適合するように規模及び構造を決定し、設計基準及び施工条件を明記しなければならない。なお、必要に応じて特記仕様書を作成するものとする。
2 監督員は、予定価格の基礎となる設計積算にあたっては、施工条件、完成手段の汎用の程度、履行の難易及び履行期日の長短等を考慮して過不足のないように慎重に決定しなければならない。
(施工準備及び工事完成手段)
第7条 監督員は、次の各号の場合、必要に応じて工事完成手段の選定を設計図書に明記し、留保しなければならない。
(1) 一般の使用に供する仮設物
(2) 設計条件を明示することが困難な仮設物
(3) 公共施設を破損するおそれのある仮設物
(4) 特殊工法を採用した場合の施工法
(5) その他監督員が特に必要と認めるもの
2 監督員は、あらかじめ工事現場の状況を把握し、設計図書に基づき受注者の工事施工計画を検討の上、工事が完全に施工されるよう受注者に対して必要な指示をするものとする。この場合、疑義の点があるときは、その処置について上司の指示を受けなければならない。
3 監督員は、丁張り、その他工事の基準に関して受注者と連絡を密にし、遅滞なく検査を行わなければならない。
(用地補償問題等の解決)
第8条 監督員は、工事施工に必要な用地の確保、その他補償問題については、その解決に努めるものとする。
(工程管理)
第9条 監督員は、工程管理に努め、工事が工期内に完成するように受注者を指導するものとする。
2 監督員は、工事が工期内に完成が危ぶまれるときは、上司に報告するとともに速やかに適切な措置を講ずるものとする。
(下請負)
第10条 監督員は、受注者が約款第6条の規定に違反している事実を発見したときは、上司に報告するものとする。
[約款第6条]
(工事関係者に関する措置)
第11条 監督員は、現場代理人、監理技術者等、その他受注者が工事を施工するために使用している下請負人、労働者等で、工事の施工又は管理につき著しく不適当と認められるものがあるときは、上司に報告し指示を受けなければならない。
(工事監督記録及び工事成績評定)
第12条 監督員は、設計図書に基づく指示、工事立会い及び材料検査等の結果の指示等で別に定める工事内容変更通知以外の指示については、確認書(様式第2号)により行うものとする。
2 前項の規定による文書は、設計図書とする。
3 監督員は、工事の監督を行うときは、工事監督記録簿(様式第3号)を常に携行して、その都度監督事項を記録するものとする。
4 監督員は、竣工した工事が請負金額300万円以上である場合、工事成績評定表(様式第4号)により評定を行うものとする。
(工事材料の検査)
第13条 監督員は、次の各号の場合、必要に応じて工事材料の検査を設計図書に明記し、留保しなければならない。
(1) 品質、規格等設計図書に明示することが困難な材料
(2) 構造物の力学的な主要部分となる材料
(3) 工事完了後確認することができない材料
(4) その他監督員が特に必要と定める材料
2 監督員は、前項の規定により留保された工事材料について、受注者から検査を求められたときは、遅滞なくこれに応じなければならない。
3 監督員は、前項の規定による検査結果については、速やかに通知するものとする。
(監督員の立会い及び工事記録の整理等)
第14条 監督員は、次の各号の場合、必要に応じて工事の立会いを設計図書に明記し、留保するものとする。
(1) 特に重要又は特殊な構造物の基礎工事の施工
(2) 第三者に対する損害の発生のおそれのある工事の施工
(3) 主要な工事段階の区切り等の確認
(4) 工事完了後確認できない配合等の調合
(5) その他監督員が特に必要と認めるもの
2 監督員は、前項の規定により留保された工事について、受注者から立会いを求められたときは、遅滞なくこれに応じなければならない。
3 監督員は、前項に関し正当な理由がある場合は、当該工事材料の調合又は当該工事の施工を適切に行ったことを証する見本又は工事写真等の記録をもって、立会いに代えることができる。
(設計図書不適合の場合の改造請求)
第15条 監督員は、工事の施工が設計図書に適合しない場合又は品質管理基準に適合しない場合においては、その改造を請求しなければならない。
2 監督員は、材料検査又は試験の結果、不適当と認めるものがあるときは、その取替えを請求しなければならない。
3 前各項の場合において、設計図書で指示した監督員の立会い及び検査に違反したものであるときは、特に上司の指示を受けるものとする。
(破壊検査)
第16条 監督員は受注者が次の各号の一に該当したとき、又は工事の施工が設計図書に適合しないと認められた場合において必要があると認められるときは、上司の指示を受け工事の施工部分を最小限度破壊して検査するものとする。
(1) 設計図書において検査、立会い調合、又は見本の提出を指定した工事材料について、これらに従わなかったとき。
(2) 設計図書において立会いのうえ施工するものと指定した工事について、立会いを受けないで施工したとき。
(条件変更等)
第17条 監督員は、次の各号の一に該当する事実を発見したとき、又は受注者から確認を求められたときは、直ちに調査を行いその結果とるべき措置について、上司の指示を受けるものとする。
(1) 設計図書と工事現場の状態が一致しないこと。
(2) 設計図書の表示が明確でないこと(図面と仕様書が交互符合しないこと及び設計図書に誤り又は脱漏があることを含む。)
(3) 工事現場の地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然又は人為的な施工条件が実際と相違すること。
(4) 設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別の状態が生じたこと。
(支給材料及び貸与品)
第18条 監督員は受注者に支給材料又は貸与品を引渡したときは、受注者から受領書又は借用書を徴するものとする。
(現場発生品)
第19条 監督員は工事の施工に伴い、現場発生品が生じたときは、受注者から現場発生品調書とともに、引き渡し場所及び日時を指定して、当該発生品を引き受けるものとする。
2 監督員は受注者から現場発生品の使用の申し出があったとき、又は監督員が現場発生品を使用する必要があると認めるときは、設計変更を行う等適切な処理をするものとする。
(工事の変更、中止)
第20条 監督員は、第17条又はその他の理由により工事内容を変更する必要を認めたときは、上司の指示を受けて、速やかに設計変更の手続をしなければならない。
[第17条]
2 監督員は、前項又はその他の理由により工事の全部又は一部の施工を一事中止させる必要があると認めるときは、上司の指示を受けて、速やかに工事中止の手続をしなければならない。
(工期の延長)
第21条 監督員は受注者から工期の延長の請求があったときは、速やかに調査し、その結果を上司に報告するものとする。
(天災その他不可抗力による損害)
第22条 監督員は自然的又は人為的な事象であって不可抗力により、工事の出来形部分等に損害を生じた旨、受注者より通知を受けたときは、直ちに調査を行い損害の状況を確認し、上司の指示を受けるものとする。
(臨機の措置)
第23条 監督員は災害防止のために、特に必要があると認めるときは、上司の指示を受け受注者に対し、臨機の措置をとらなければならない。
2 監督員は臨機の措置をとったことについて受注者から通知があったときは、その旨上司に報告するものとする。
(検査の準備)
第24条 監督員は、工事完成の届出又は部分払の請求があったときは、設計図書又は出来高調書を整理し、受注者に受検の準備を速やかにさせるものとする。
2 前項の場合において準備する資料及び記録は、次の各号のとおりとする。
(1) 監督員が準備する資料及び記録
ア 設計図書
イ 工事成績評定表
ウ 工事監督記録簿
エ その他関係資料
(2) 受注者が整備し監督員に提出する資料及び記録
ア 施工管理の結果資料
(ア) 出来形管理
(イ) 品質管理
(ウ) 写真管理
(エ) 社内検査結果資料
(オ) 設計図書で指定した工事材料の試験結果表
(カ) 設計図書で指定した施工立会いの記録
(キ) 工事日誌
(ク) その他関係資料
3 監督員は、検査が行われるときは、あらかじめ受注者から提出された社内検査結果資料等に基づいて工事内容を確認するものとする。
(出来高の査定)
第25条 監督員は、前条第1項による出来高調書を作成するときは、次の基準によらなければならない。
(1) 出来高は、次号以下のものを除き実際に仕付け済のものとする。
(2) 鉄筋は、加工し組立の完了したもののみ査定する。
(3) 水管橋は、材料検査又は試験に合格し、所定の加工を完了したもの及び仮組検査に合格したものについて査定する。
(4) 二次製品の総額が工事費の30パーセント以上を占める工事については、受注者が善良な管理を行っていると監督員が認めたものについて、査定することができる。
附 則
この訓令は、平成11年4月1日から施行する。
附 則(令和7年5月9日訓令第14号)
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この訓令は、公布の日から施行する。