○八頭町成年後見制度利用支援事業実施要綱
(令和5年4月1日告示第76号) |
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(目的)
第1条 この要綱は、町内に居住する判断能力が十分でない高齢者、知的障がい者及び精神障がい者の福祉の増進を図るために、民法(明治29年法律第89号。以下「法」という。)で定める成年後見制度について、老人福祉法(昭和38年法律第133号)第32条、知的障害者福祉法(昭和35年法律第37号)第28条及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)第51条の11の2の規定に基づき、町長が行う後見、保佐及び補助開始等の審判の請求(以下「審判請求」という。)をする場合における手続等について定めるとともに、その他成年後見制度利用に係る費用の支給に関し、必要な事項を定めることを目的とする。
(審判請求の申出)
第2条 審判請求を申し出ようとする者(以下「申出者」という。)は、町長による法定後見・保佐・補助開始申立ての申出書(様式第1号)に次に掲げる書類を添えて、町長に提出しなければならない。ただし、町長が提出の必要がないと認めた場合はこの限りではない。
(1) 診断書
審判の対象者(以下「本人」という。)の判断能力判定について医師の意見を記したもの
(2) 親族状況調査書
対象者の配偶者及び2親等内の親族(以下「親族等」という。)の氏名、生年月日、現住所及び親族関係を記したもの
(3) 請求不能事由書
親族等による審判の請求が行われない事由を記したもの及びその関係書類
(4) 関係機関調査書
本人に関わっている保健、医療及び福祉関係機関等の利用状況を記したもの
(5) その他町長が確認が必要と認めるもの
(町長による審判請求)
第3条 町長は、町内に居住し、かつ、住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)の規定により本町に住所等を記録されている者であって、他の市町村長による審判請求が行われる見込みがない者について、当該対象者を保護するため特に必要と認めたときは、当該対象者に係る審判請求を行うものとする。
2 町長は、前項の規定により審判請求を行う必要性の可否についての判断を行うに当たっては、次の各号に掲げる要件を総合的に勘案して決定するものとする。
(1) 本人の事理を弁識する能力の程度
(2) 保健、医療及び福祉サービス、その他町又は関係機関が行う各種施策の活用による本人に対する支援の必要性
(3) 本人の健康状態、生活の状況及び資産の状況
(4) 本人の2親等内の親族等の存否及び当該親族等による本人保護の可能性並びに当該親族等が審判の請求を行う意思の有無
ただし、3親等もしくは4親等内の親族であって、審判請求を行う者の存在が明らかである場合は、この限りでない。
(5) その他町長が必要と認める場合
(審判請求の決定)
第4条 町長は、第2条に規定する申出書が提出されたときは、審判請求の実施の可否を決定し、町長による法定後見・保佐・補助開始申立(決定・却下)通知書(様式第2号)により、申出者に通知するものとする。
[第2条]
(審判請求の手続)
第5条 審判請求に係る申立書、添付書類及び予納すべき費用、その他の手続は、本人に係る審判請求を管轄する家庭裁判所の定めるところによるものとする。
(審判費用の求償)
第6条 町長は、家事事件手続法(平成23年法律第52号)第28条第2項により、裁判所から費用の負担命令があったときは、その負担命令を受けたものに対し、当該費用を求償するものとする。ただし、町長が特別の事情があると認める場合はこの限りではない。
(審判前の保全処分)
第7条 町長は、本人の状況を考慮し、緊急を要する場合において必要と認めるときは、家事事件手続法第105条第1項に規定する審判前の保全処分を命ずる審判の申立を家庭裁判所に対して行うものとする。
(親族等への情報提供)
第8条 町長は、第3条第2項第4号において、町長又は申出者等が親族等に対して当該親族等による審判の請求を行う意思の有無を確認する場合には、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第69条に基づき、本人の状況等の情報を必要の範囲内で当該親族等に提供することができる。
(対象者)
第9条 後見開始の審判等に要する費用(以下「審判請求に要する費用」という。)に係る支給対象者は、次の各号のいずれかに該当する法第8条に規定する成年被後見人、法第12条に規定する被保佐人若しくは法第16条に規定する被補助人(以下「成年被後見人等」という。)又は当該者に代わり後見開始の審判等を請求する者(以下「申立代理人」という。)とする。なお、申立代理人がいる場合は、成年被後見人等及び申立代理人のいずれもが、次の各号のいずれかに該当することとする。
(1) 別表1で規定する要件に該当する者
(2) 生活保護法(昭和25年法律第144号)第6条第1項に規定する被保護者かつ別表1(2)及び(3)を満たす者
(3) 中国残留法人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国在留法人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律(平成6年法律第30号)第14条に規定する支援給付を受けている者かつ別表1(2)及び(3)を満たすもの
(4) その他当該審判の請求に要する費用等を負担することが困難であると町長が認める者
2 後見人等報酬の支給対象者は、前項各号のいずれかに該当する成年被後見人等とする。
3 第1項及び第2項の規定にかかわらず、本町以外の自治体又は団体等の実施する制度により審判費用の助成を受けられるものについては、助成の対象者としない。
(費用の支給)
第10条 町長は、次の各号に掲げる費用の全部又は一部について、支給することができる。
(1) 法第7条の規定による後見開始の審判、法第11条の規定による保佐開始の審判又は法第15条第1項の規定による補助開始の審判(以下「後見開始の審判等」という。)を請求する者又は申立代理人が行う当審判請求に要する費用
(2) 法第862条の規定により成年被後見人等が成年後見人等に付与する報酬(以下「後見人等報酬」という。)
2 審判請求に要する費用に対する支給の対象は、審判の請求に必要な次の各号に掲げる費用とする。
(1) 切手購入費用
(2) 収入印紙購入費用
(3) 診断書作成費用
(4) 鑑定費用
3 後見人等報酬に対する支給対象額は、法第862条、法第876条の5第2項及び法第876条の10第1項の規定による報酬付与の審判が行われた場合において、家庭裁判所が決定する報酬額とする。ただし、成年被後見人等が施設に入所等している場合は月額18,000円を、その他の者については月額28,000円を上限とする。
4 第9条第1項第1号から3号または第9条第2項及び第3項の規定に基づき後見人等報酬及び審判請求費用を支給する際において、別表1(2)ただし書きの規定を適用する場合の支給額は、預貯金等から前項に定める上限の範囲内で算定した支給金額を控除した額と50万円(世帯員が1人増えるごとに50万円を加算した額)との差額を支給する。
5 後見人等報酬の支給対象期間は、町長への支給申請受付日から起算して2年間とする。
(支給の申請)
第11条 支給対象者又は成年後見人等(以下「申請者」という。)は、成年後見制度利用支援事業支給金交付申請書(様式第3号)に必要書類を添えて町長に申請しなければならない。ただし、本申請に係る代理権が成年後見人等に付与されている場合は、成年被後見人等が申請することはできない。
2 審判請求に要する費用に対する支給申請は、審判確定日から起算して1年以内に行わなければならない。
3 第9条第3項の規定による後見人等報酬の支給に対する申請は、家庭裁判所の審判があった日から起算して90日以内に行わなければならない。
[第9条第3項]
(資産状況等の報告)
第12条 町長は、前条の規定により審判請求に要する費用又は後見人等報酬を支給するときは、申請者に対し、支給対象者の資産状況等について報告を求めることができる。
(支給の決定等)
第13条 町長は、第11条の規定による申請があったときは、その資産状況等を審査し、成年後見制度利用支援事業支給金支給(不支給)決定通知書(様式第4号)により、決定内容及びこれに条件を付した場合にはその条件を、申請者に通知する。
[第11条]
(支給金の請求)
第14条 支給の決定を受けた者(以下「受給者」という。)は、八頭町成年後見制度利用支援事業支給金請求書(様式5号)に必要事項を記入し、支給金の交付を請求するものとする。
(報告義務)
第15条 受給者又は成年後見人等は、受給者の資産状況等に変化が生じたときは、資産状況等変更報告書(様式第6号)により速やかに町長に届け出なければならない。
(支給決定の取消等)
第16条 町長は、審判請求に要する費用又は後見人等報酬の支給を決定した場合において、次の各号のいずれかに該当する事項が発生したときは、支給額の決定の全部もしくは一部を取り消し、又はその決定の内容若しくはこれに付した条件を変更することができる。
(1) 支給対象者の資産状況等の変化により第9条の要件を満たさなくなったき
[第9条]
(2) 偽りその他不正の手段により支給金を受給したとき
(3) その他の事情の変更により特別の必要が生じたとき
(支給金の返還)
第17条 町長は、審判請求に要する費用又は後見人等報酬の支給後に、前条の規定により支給決定の取り消しを行ったときは、受給者に対し既に支給した決定額のうち全部又は一部の返還を請求することができる。
(未支給の支給金)
第18条 成年被後見人等が町外に転出又は死亡した場合において、その者に支給すべき審判請求に要する費用又は後見人等報酬で支給しなかったものがあるときは、申請者又はその者の成年後見人等であった者は第11条の規定により申請することができる。ただし、当該転出又は死亡時に成年被後見人等に預貯金がある場合、第10条第3項に定める上限の範囲内でその預貯金から後見人等報酬を控除してなお不足する額のみ支給する。
2 前項の場合において、死亡した被後見人等に債務が残り、当該預貯金からその債務の整理が行われるときは、申請者又はその者の成年後見人等であった者が支払うべき債務額を明らかにした場合に限り、当該債務額を控除した預貯金から後見人等報酬額を控除してなお不足する額を支給する。
3 第2項の場合において、死亡時に被後見人等に預貯金があるにもかかわらず、申請者又はその者の成年後見人等であった者が後見人等報酬額を控除せず相続人に預貯金を引き継いだ後に支給申請を行ったときは、支給しないことがある。
(譲渡及び担保の禁止)
第19条 審判請求に要する費用又は後見人等報酬の支給を受ける権利は、譲渡し、又は担保に供してはならない。
(その他)
第20条 この要綱に定めるもののほか、事業の実施に関し必要な事項は別に定める。
附 則
1 この告示は令和5年4月1日から施行する。ただし、第10条第4項に掲げる規定は、令和5年6月1日から施行する。
2 八頭町成年後見制度利用支援事業実施要綱(平成23年3月25日施行)の全部を改正する。
3 成年後見制度における町長申立に係る要綱(平成18年11月1日施行)は、廃止する。
別表1
以下の(1)から(3)の全てを満たす者
(1)市町村民税非課税世帯(世帯員全員が非課税) (2)預貯金等(生命保険除く)の額が、単身世帯で50万円(世帯員が1人増えるごとに50万円を加算した額)以下であること。ただし、預貯金等から後見人等報酬を控除した場合において預貯金等の額が上記基準を下回る場合も含む。また、当該報酬対象期間中に、社会通念上当該成年被後見人の信条保護に必要とは認められない支出があった場合、当該支出を加算した額を預貯金額とみなすことがある。 (3)世帯員が居住する家屋その他日常に必要な資産以外に活用できる資産がないこと |