○椎葉村有害鳥獣捕獲等事務取扱要領
(平成12年4月1日要領第3号) |
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第1 総則
鳥獣による生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害(人身への危害又は植生の衰退や在来種の圧迫等、自然生態系の攪乱を含む。以下「被害」という。)を防除するために実施する鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等(以下「捕獲等」という。)の許可及びその事務の取扱については、次に掲げる関係法令等で定めるもののほか、この告示の定めるところによる。
(1) 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号。以下「法」という。)
(2) 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律施行規則(平成14年環境省令第28号。以下「規則」という。)
(3) 宮崎県における事務処理の特例に関する条例(平成11年宮崎県条例第40号。以下「特例条例」という。)
(4) 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律施行細則(平成25年椎葉村細則第1号。以下「細則」という。)
(5) 宮崎県鳥獣保護管理事業計画(以下「事業計画」という。)
第2 捕獲等についての基本的な考え方
捕獲等許可にあたっては、次の事項を基本に行うものとする。
(1) 法第9条第1項に基づく鳥獣の捕獲等は、被害が現に生じているか、又はそのおそれがある場合に、その防止及び軽減を図るために行うものとする。
(2) 鳥獣の捕獲等は、被害及び防除対策の状況を的確に把握し、防除対策によっても被害が防止・軽減できないと認められるときに行うものとし、その実施が捕獲対象鳥獣の個体群の拡散をまねく等、様々な影響を及ぼすことを想定したうえで慎重に行うものとする。
(3) 外来鳥獣等については、前2号の規定に関わらず、当該鳥獣を根絶又は抑制するため、積極的に捕獲等を図るものとする。
(4) 生息数の少ない鳥獣の捕獲等は特に慎重に取扱うこととする。かかる鳥獣については、捕獲した後、被害等が及ぶおそれの少ない地域へ再放鳥獣し、生息数の確保に努めることも検討する。
(5) 関係機関と連携のうえ、実施期間や被害防止対策の整備等が総合的に推進されるよう努めるものとする。
第3 申請に関する処理
1 申請の受理
(1) 村長は、村長許可に係る鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採取等の許可申請(細則様式第1号(表面)。以下「申請書」という。)の提出を受けた場合は、記載事項及び次の添付書類を審査し受理・不受理を決定するものとする。
[細則様式第1号]
ア 鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採取等の許可申請者名簿(細則様式第1号(付表1)。以下「申請者名簿」という。)
[細則様式第1号]
イ 鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採取等の従事者名簿(細則様式第1号(付表2))
[細則様式第1号]
ウ 鳥獣捕獲等依頼書(細則様式第2号。以下「依頼書」という。)
[細則様式第2号]
エ 被害区域及び捕獲予定区域図(5万分の1。以下「被害位置図等」という。)
オ 捕獲事由の証明書(被害状況写真等。以下「被害写真等」という。)
なお、申請者は別表の許可基準に定める者とし、申請に係る上記の添付書類は、申請者ごとに次のとおり区分する。
申請者 | 地方公共団体等及び法人 | 被依頼者 | 被害を受けた個人 |
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添付書類 | 従事者名簿
被害写真等 被害位置図等 | 申請者名簿
被害写真等 被害位置図等 狩猟免状または狩猟者登録証の写し | 申請者名簿
依頼書(被害を受けた個人自ら捕獲を実施する場合は不要) 被害写真等 被害位置図等 狩猟免状または狩猟者登録証の写し(被害を受けた個人自ら捕獲を実施する場合) |
[別表]
(2) 被害位置図等は5万分の1の図面に被害区域及び捕獲予定区域、網、わなを使用する場合はその設置箇所を図示するものとする。
(3) 発生予察による捕獲にあっては、(1)及び(2)に定めるもののほか、第4による。
2 申請の許可
村長は、申請書を受理した場合は、速やかに有害鳥獣捕獲等許可申請に係る審査調書(別添1)並びに別表に基づく許可基準により審査し、許可を決定したときは、速やかに鳥獣捕獲許可証(規則様式第1号。以下「許可証」という。)又は従事者証(規則様式第1号の2)を交付するとともに、有害鳥獣捕獲等許可台帳(別添2。以下「許可台帳」という。)に記載するものとする。
また、捕獲等の許可に当たっては、期間の限定、区域の限定、捕獲方法の限定、鳥獣の種類及び数の限定のほか、捕獲物の処理の方法、捕獲等を行う区域の安全確保、静穏の保持、捕獲等を行う場合の周辺環境への配慮、猟具への標識の装置などについて付するものとする。
また、法人に対する鳥獣捕獲の許可に当たっては、当該法人に対し、指揮監督の適正を期するため、必要に応じ、別添3の捕獲等事業指示書を従事者に交付するとともに、別添4の捕獲等従事者台帳を整備するよう指導するものとする。
[別表]
3 申請の不許可
不許可を決定したときは、その事由を申請者に通知するものとする。ただし、知事許可の場合は局長等を経由するものとする。
4 通知
村長は、申請者に許可証を交付したときは、次の者に許可に関する事項を通知するものとする。(別添5)
1) | 捕獲等区域を管轄する西臼杵支庁又は農林振興局長、警察署長、森林管理署長(捕獲等区域に国有林が含まれている場合) | |
2) | 区域を担当する鳥獣保護員、猟友会支部長 |
第4 発生予察による捕獲
(1) 発生予察による捕獲(以下「予察捕獲」という。は、常時捕獲を行い生息数を低下させる必要があるほど強い害性が認められる場合のみ許可するものとする。
(2) 申請者は被害等の状況に基づき、鳥獣の種類別に被害時期、被害作物等について、翌年度を対象とし有害鳥獣被害発生予察表(別添6。以下「予察表」という。)により、被害発生予察を行うものとする。
(3) 発生予察は、過去5年間の鳥獣による被害等の発生状況及び鳥獣の生息状況を検討し、必要最小限の区域を発生予察地域として区分するものとする。
(4) 申請者は、前2項の発生予察に基づく、年間の有害鳥獣駆除計画書(別添7。以下「捕獲計画」という。)を策定し、予察表を添えて、4月20日までに村長に提出するものとする。
(5) 村長は、予察捕獲を実施するに当たっては、過去の被害状況及び捕獲実績を勘案し、捕獲予定数並びに効果的な捕獲の方法、捕獲の時期について審査し、必要に応じて現地調査を行い、被害発生の予兆等及び捕獲の必要性を確認のうえで許可するものとする。
(6) 予察捕獲の申請は、原則として国、地方公共団体又は法第9条第8項の規定により環境大臣の定める法人が行うものとする。
第5 捕獲等の実施に当たっての留意事項
(1) 村長は、被害及び捕獲区域が複数市町村をまたがる場合にあっては、関係市町村長と協議し、捕獲の円滑化を図るものとする。
(2) 村長は、捕獲等の実施に当たり、短期間に最大の効果を上げるよう督励するとともに、関係法令の遵守等を指導し錯誤捕獲や事故の発生防止に万全の対策を講じさせるものとする。また、事前に関係地域住民等への周知徹底を図らせるものとする。
(3) 捕獲等実施者は、捕獲等に従事するときは、必ず許可証等を携帯するとともに、腕章を着用するものとする。
(4) 村長は、捕獲等従事者がわな、網等を使用するときは、猟具ごとに、住所、氏名、電話番号、許可年月日及び許可番号、捕獲目的並びに許可期間を記載した標識等を設置させ、期間終了後わな、網等の撤去を確実に実施させるなど適切な管理を行うものとする。
第6 許可証等の管理
(1) 住所等の変更届出
村長は、許可証等を添えて規則第7条第11項及び第12項の規定による住所等の変更届出(細則様式第7号)があった場合は、許可台帳にその旨を記載し、許可証等を書き換えて交付するものとする。
[細則様式第7号]
(2) 許可証等の亡失の届出・再交付
村長は、規則第7条第13項及び第14項の規定による許可証等の亡失の届出並びに法第9条第9項の規定による許可証等の再交付の申請(細則様式第6号)があった場合には、許可台帳にその旨を記載し、許可証等を再交付するものとする。
[細則様式第6号]
(3) 許可証等の返納
村長は、法第9条第11項の規定による許可証等の返納があったときは、許可台帳にその旨を記載するものとする。
また、許可証等の返納は、有効期間満了後30日以内に村長に返納するものとする。
第7 報告
村長は、鳥獣行政事務処理状況報告書(別添8)に許可台帳(写し)を添付して翌年度の4月15日までに知事に報告するものとする。
第8 その他
(1) 捕獲物の処理
捕獲物については、鉛中毒事故等の問題を引き起こすことのないよう、山野に放置することなく、捕獲の目的に照らして適正に処理し、野生鳥獣の保護管理に関する学術研究、環境教育などに利用できる場合は、努めてこれを利用するものとする。
村長は、鳥獣保護の適正な推進を図る上で必要な資料を得るため適当と認める場合は、捕獲個体の種毎に性別、年齢、体長、体重等についての調査を、捕獲等実施者に依頼し、その協力要請に努めるものとする。
(2) 違反・事故報告
村長は、捕獲等に伴う違反・事故等が発生した場合は、速やかに知事に報告するものとする。
附 則
この要領は、平成12年4月1日から施行する。
附 則(平成20年3月17日要領第6号)
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この要領は、公布の日から施行し、平成19年度有害駆除事務から適用する。
附 則(平成25年8月1日要領第4号)
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この要領は、公布の日から施行し、平成25年4月1日から適用する。
附 則(令和2年3月16日要領第1号)
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この要領は、公布の日から施行する。
附 則(令和3年7月29日要領第2号)
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この要領は、公布の日から施行する。
附 則(令和4年3月29日要領第1号)
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この要領は、令和4年4月1日から施行する。
別表(第3条関係)
有害鳥獣捕獲等許可基準
(2-1)
事項 | 許可基準 |
申請者 | (1) 国及び地方公共団体(以下「地方公共団体等」という。)
(2) 法第9条第8項の規定により環境大臣の定める法人(農業協同組合、森林組合等。以下「法人」という。) (3) 被害等を受けた者から依頼された個人(以下「被依頼者」という。) (4) 自身の保有する森林及び農作物への被害を受けた個人(以下「被害を受けた個人」) |
捕獲等実施体制 | (1) 捕獲効果の向上と捕獲実施に伴う危険防止、弊害防止のため、原則として椎葉村有害鳥獣駆除対策協議会が編成する地区有害鳥獣駆除班(以下「捕獲班」という。)に属する捕獲班員による共同捕獲とする。
(2) 捕獲班は、最大30人程度で編成するものとし、有効な捕獲を実施するための必要最小限の人数とする。 また、班には班を代表し、及び総括するものとして班長を置くものとする。 |
捕獲等実施者 | 原則として、捕獲班に属する捕獲班員とする。 ただし、森林管理署が自ら経営管理する国有林野及び官行造林地等において実施する捕獲にあっては、この限りでない。なお、狩猟免許を有する被依頼者及び被害を受けた個人においては、当該申請を行えば捕獲を実施できるものとする。 |
許可区域 | 原則として、椎葉村の区域内とし、有害鳥獣の生息状況及び被害の状況等を勘案のうえ、被害の発生している区域及び被害発生のおそれのある必要最小限の区域にとどめる。
ただし、次の場合はこの限りでない。 (1) 被害地の市町村又は地区協議会長等から捕獲班の派遣要請を受け、その必要が認められた場合。 (2) 捕獲区域が隣接市町村にまたがらなければ効果が期待できない場合。 (この場合は、関係市町村との協議が必要。) 鳥獣保護区等の捕獲禁止区域内の捕獲については、慎重に取り扱うものとする。 なお、捕獲班に属さない被依頼者及び被害を受けた個人については、当該申請のあった、被害を受けた個人の所有する土地内でのみ捕獲を認める。 |
捕獲方法 | (1) 捕獲の方法は、従来の捕獲実績を考慮するなど最も効果的なものとするが、捕獲班に属さない被依頼者及び被害を受けた個人については、わな猟での捕獲に限る。
(2) 網による捕獲は、必要性が認められる場合にのみ許可するものとする。 (3) 空気銃による捕獲は、半矢の危険性の少ない中小型鳥類のみとし、シカ・イノシシを含む獣類の捕獲・止め刺しへの使用は認めない。 |
(2-2)
事項 | 許可基準 |
許可頭(羽)数及び許可期間 | 許可頭(羽)数は、被害等の防止の目的を達成するために必要最小限の頭(羽)数とし、許可期間は、原則として被害が生じている時期のうち、最も効果的に捕獲が実施できる時期における、必要最小限度にとどめるものとすること。なお、鳥獣の種別の許可期間及び頭(羽)数はおおむね下記事項のとおりとする。
また、原則として、鳥類の繁殖期・狩猟期間の始期及び終期の前後15日間は避けるものとする。 (1) イノシシ 許可期間は1年以内とし、1回あたりの捕獲数は加害状況に応じた必要頭数とする。 (2) シカ 許可期間は1年以内とし、捕獲数は加害状況に応じた必要頭数とする。 (3) サル 許可期間は1年以内とし、捕獲数は加害状況に応じた必要頭数とする。 (4) アナグマ・アライグマ・カラス類 許可期間は原則180日以内とし、1回あたりの捕獲数は加害状況に応じた必要頭数とする。 (5) カワウ・サギ類・ドバト 許可期間は原則90日以内とし、1回あたりの捕獲数は加害状況に応じた必要羽数とする。 (6) その他の鳥獣 許可期間は原則30日以内とし、1回あたりの捕獲数は加害状況に応じた必要頭(羽)数とする。 (7) 発生予察制度の適用による捕獲許可 許可区域、期間、捕獲頭(羽)数については、上記に準じて許可する。 |